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松山短期大学

入学式式辞

2011(平成23)年度松山短期大学卒業式学長式辞

  近年にない寒く厳しい冬の季節も終わりを告げ、暖かな春の日差しがさしこむ季節となりました。本日ここに、多数のご父母の皆様やご来賓の皆様をお迎えして卒業式を挙行できますことは、私どもにとりまして大変嬉しいことであります。
  卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。今回の卒業生は総勢百名を越え、近年にない多くの卒業生を送り出す機会に恵まれました。この上のない慶事であると思います。
  卒業生の皆さん、この二年間の大学生活はどうでありましたでしょうか。夜間の限られた時間の中で得たものは何でありましたでしょうか。中には、社会に出て行く際に有効な各種の資格を取得された方もいるかと思います。クラブ活動や学友会活動で友人と一緒に汗を流した経験もあるかと思います。形にはならないまでも、この松山短期大学で過ごした二年間は決して無駄ではありません。
  わが国は、昨年3月11日に東日本大震災に見舞われ、多くの尊い命が奪われました。東京電力福島第一原発の事故以来、大量に放出された放射性物質(セシウム等)は、福島県のみならず日本の各地に飛散し、いまだに収束の域に達しておりません。海洋汚染もすすみ、市民生活に多大の影響を与え続けております。今後、東北の復旧・復興が進むはずでありますが、一日も早い復旧・復興を望みたいと存じます。
  大震災によって、リーマンショックから立ち直りかけていた日本の経済も再び低迷し、最近の超円高の継続ともあいまって日本の景気回復の道は非常に困難な状態にあります。ヨーロッパのユーロ圏でも、ギリシャ問題に端を発した、国家財政の破綻の火種もくすぶり続けて、先進諸国といわれてきた国々の経済状態は思わしくありません。他方、元気なのはアジア地域であります。中国の高度成長にかげりが見え始めていますが、アジア地域がこれからの世界経済を牽引する役割を演じることは確かなようです。
  少子・高齢化が進む日本の社会では、これまでの政策を大きく転換しないと発展の展望を描くことは不可能であります。国立社会保障・人口問題研究所が昨年末に公表した、わが国の人口推計によりますと、2055年には、1億人を割り込み8993万人まで減少すると予想されています。皆さんのような若者が減り続けますと社会の活力は失われ、地域全体のコミュニティが崩壊してしまいます。
  卒業生の皆さん、皆さんがこれから進んでいく社会はこのように決して明るいものではありません。皆さんの進路は、四年制大学へ編入する者、 就職し社会人になる者、いろいろであります。現実は厳しいが、夢や希望は与えられるものではありません。自分の力で掴み取るものであります。この二年間の学生生活のなかで得た知力を大いに発揮してそれぞれの分野で頑張っていただきたく存じます。
  松山大学と共有している、建学と教学の精神に「三実主義」があります。「真実・実用・忠実」のことであり、校訓三実主義と呼び親しまれている精神であります。多くは解説しませんが、学業を通じて、物事の真実を掴み、それを社会に還元する。真実を尊びそれを介して偽りのない人と人との関係を創造することであります。偽りの多いなかで、何が真実なのか、人として社会に貢献するということはいかなることなのか。これらは学生時代だけではなく、社会に出てからも「三実主義」を座右の銘にして追い求めて行って欲しいと存じます。
  ところで、卒業生の皆さんが、在学中でありました、昨年三月に本学は、高等教育機関としての認証評価を「日本短期大学基準協会」から受けました。「適格」という評価を公式に受けたわけで、本学は名実ともにわが国の高等教育機関の一員となりました。この場を借りてご報告しておきたいと思います。
  本学のように、夜間開講の短期大学は現在では大変めずらしい存在であります。昼間部の短期大学も全国的には年々その数を減らしています。そのような本学をめぐる環境には厳しいものがありますが、今後とも、 時代に適合したカリキュラムの整備を始めとして、教育内容の向上・改革を推し進めていく所存であります。卒業生の皆さんも母校のこれからの発展を見守って頂きたく存じます。
  最後に、卒業生の皆さんの未来が明るいものでありますことを祈念して、簡単ではありますが、お祝いの言葉といたします。


2012(平成24)年3月15日 松山短期大学学長 清野 良榮

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