大学院案内2024
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■ ■ ■ ■ ■ 経済学研究科経営学研究科言語コミュニケーション研究科社会学研究科法学研究科■ 医療薬学研究科さわ もと  あつ しProfessor主な担当科目/医療分析化学特論、疾病と薬の分子基盤領域研修、薬学特別研究あき ら  かず きおお まさ  とし き24 医療薬学研究科在学中は、脳由来神経栄養因子(脳内の栄養素のような蛋白質)の産生を促す植物性化学物質の探索と作用機序の解明を細胞・個体レベルで行っていました。研究は、世界中の誰も知らない、誰もやったことのないことへの挑戦なので、本質的には孤独な戦いです。実験系は適当か、成果が出るのか、と不安は絶えませんが、メンターからの指導・助言を元に試行錯誤を繰り返し、得られた結果から論理的考察を積み上げることで自分しか知らない事実を摑める時が来るはずです。この一連の過程の中で、深い専門知識、自由な発想力、課題発見力・解決力、論理的思考力が自ずと身に付きます。 近年の創薬・医療技術の高度化は人々の生活を豊かにする一方、ときに、私達が経験したことのない課題を生み出すことがあります。医療に携わる者はこのような課題の解決策を模索し、患者利益となるように行動しなければなりません。博士課程で体得した“力”はこのような状況において、必ず役立つはずです。医療薬学研究科には博士号(Ph.D.)取得を志す薬剤師のスキルアップの場として、素晴らしい環境が整っています。育研究体制を整備しています。 大学院で学んで博士号(Ph.D.)を取得するということは、学識を深めることはもちろん、自立して問題を発見・解決する科学的思考力を獲得し、研究を行う実践力を身に付けることであります。そのような能力は、医療における問題解決に役立ち、患者の利益向上にもつながるものです。医療薬学の問題解決に興味をもち、研究者の証である博士号を目指す方々を歓迎します。 6年間の薬学部生活を終え、大学院に進学したきっかけは私が行った卒業研究でした。卒業研究では、高齢化に伴って身体の生理的予備能が脆弱になる「フレイル」に対して、愛媛県特産柑橘を用いて改善効果を検討しました。すると、サンプルを与えた群において有意な改善効果を示し、ただただ感動しました。卒業研究を通して研究の素晴らしさと面白さを感じた私は、大学院進学を決意しました。 大学院では、柑橘に含まれる生理機能活性成分を用いて中枢または末梢組織における抗炎症作用を中心に解析しています。特に中枢神経系の疾患、例えば認知症などにおいては治療できる医薬品は少なく、進行を遅らせる対症療法の薬物が多い状況にあるので、疾病の予防に繋がるサプリメントの開発に貢献したいと考えています。 研究ではうまく結果が出ることは数少なく、不安やつらい時期が続くことも多くあります。しかし困難な壁を突破したとき人は成長できると思いますので、好奇心と探求心を大事にし、日々努力しております。澤本 篤志さん医療薬学研究科/博士課程修了生[2018年修了]好奇心と探究心が自らを成長させる明樂 一己 教授大政 俊樹さん医療薬学研究科医療薬学専攻 薬理学分野地元柑橘で予防医療に貢献できる研究をしたい薬を活かした医療・健康を研究する。医療薬学の学識を深め、実践的な研究能力を備えた薬剤師、医療を熟知した薬学研究者を養成。 近年、医療の進歩は目覚ましく、高度な専門知識を必要とする医薬品や診断・治療法が次々と登場しています。また、医療をめぐる解決すべき様々な科学的・社会的問題が存在します。このような問題に対処できる人材を養成するために、医療薬学研究科が設置されました。本研究科は愛媛県で唯一の薬系大学院であることから、地域医療への貢献も大いに期待されています。また、社会人大学院生のために、昼夜開講制度や長期履修制度といった柔軟な教

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