学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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108⑹ 考察 属性(大学生と社会人)と社会人になるまでに高めておいた方が良い項目については関連がなかった。このことから、大学生と社会人で重視している項目に大きな差がなく、大学生・社会人ともにGPAは重要ではないと考えていることが分かった。 種市(2011)で、就職活動で最も必要なのはソーシャルスキルと述べられており、内藤(2011)でソーシャルスキルの高い学生は学業成績が高いことが示された。この2つの論文から、GPAが高い学生ほど、ソーシャルスキルの一部である「柔軟なコミュニケーションが取れる」ことが示されている。しかし、現代では「成績が良くてもコミュニケーション能力がなければ採用されない」という世論が原因で、「成績≠コミュニケーション能力」という刷り込みが起こっている可能性がある。そのため、大学生だけでなく、就労している社会人もGPAを重視していないという結果になったと考えられる。この刷り込みを解消するためには、ソーシャルスキルの一部である「柔軟なコミュニケー誰とでも話せる伝える力協調性リーダーシップGPA(学業成績)英語力 有意水準10%で独立性の検定を行った結果、全ての項目で有意な結果は得られなかった。つまり、「大学生と社会人で、GPAを重視する順番に違いはない」ということが明らかになった。学生懸賞論文集第37号***:p<0.01,**:p<0.05,*:p<0.1表14 独立性の検定結果χ二乗値4.845.673.848.284.874.02P-値0.4360.3400.5730.1410.4320.546

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