学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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119<講 評>論    題:就活を握るファクター -その1つのGPA-論    評:A:論文の形式 1.構成力 論文の構成力は基本的な水準を上回っている。ただ、第2章はもう少し文章にして先行研究をまとめる必要がある。 2.文章表現力 文章は平易な文で書かれており、誤字脱字も少ない。 3.準拠性 参考文献もサーベイされており、基本的な基準を上回っている。ただし、回帰分析の部分に関しては、就職の満足度に関連する文献を広く参考にしてもよいと考えられる。B:論文の内容 1.テーマの設定 大学での勉強が社会に役に立つのかという問いは重要なテーマである。本稿はその第1歩として、GPAが実際の就職満足度に影響するかどうかを定量的に分析した研究である。GPAは学生の能力を担保する指標として進路や経済支援の場で活用されているものの、一般的な就職活動においてはその重要性についての議論の余地は大きい。こうした背景をもとに、就職活動の観点からGPAに着目した本稿の問題意識は重要かつ野心的であり、テーマの設定も妥当である。 2.論証内容 本稿の問題意識は、大学の成績であるGPAが就職活動結果の満足度にどのような影響を与えるのかである。仮説を検証するため、就活を実際に経験した4年次生と、実際に社会に出ている社会人に対してアンケート調査を実施し、データ分析等の統計的な手法を用いて分析することで、就活を握るファクター -その1つのGPA-

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