学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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126ペット型ロボットを導入することによって、『無機質な』ロボットよりも、より親近感がわきやすいということを示した。 しかし、Helsing and Monk(1985)は、ペットを飼うことと自殺の関連性を分析し、ペットを飼うことと自殺には関連性がないことを示し、Wells and Rodi(2000)は、ペットを飼うことは高齢者の健康促進には繋がらないことを示している。 以上の4つの先行研究より、ペットを飼うことは良い影響がありながらも、自殺や健康促進など、個人によるところが大きい問題では、ペットを飼うことによる影響はないと言える。つまり、ペットを飼うことは、場合によっては、影響を及ぼさないのである。 以上の2-1幸福度及び2-2ペットの先行研究を踏まえ、本研究では1.イントロで述べた「ペットを飼うという行為が、飼い主の幸福度に何らかの影響を与えている」という仮説から、ペットを飼うことによって幸福度は上昇するだけでなく、下降する可能性もあるのではないか、ということを明らかにすることを目的とする。 本研究では、「ペットを飼うという行為が、飼い主の幸福度に何らかの影響を与えている」ということを明らかにするのが目的であるため、ペットを飼っている人、飼っていない人、飼った経験がある人という分類を設け、アンケートを実施する。 結果を集計した後、「現在の幸福度」を従属変数とし、幸福度が上昇する可能性のある要因(性別、年齢、月収、回答時の天気、住まい、ペットの飼育経験、ペットの種類、ペット別購入金額、ペットの飼育年数)を説明変数とする重回帰分析を行う。また、現在ペットを飼っている人と飼っていない人で、幸福度に影響があるのかを分析するために、『ペットを飼っている人』と『それ以外(ペットを飼っていない人+ペットを飼ったことがある人)』に分類し、t-検定を行った。学生懸賞論文集第37号3.分析方法

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