学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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141い」といえる。 本研究の課題は、主に4つある。1つ目は、過去の幸福度の聞き方である。質問により、ペットのことだけを想定する人、ペットを迎え入れた頃の生活自体を想定する人など、回答者によって違いが生じてしまうため、過去の幸福度は分析に使用していない。しかし、ペットを迎え入れた時の幸福度は現在に比べて約1.1増加していた。過去の幸福度のデータが正しく集計出来ていたならば、ペットを飼う行為がもたらす幸福度の持続力の弱さや、ペットの廃棄や虐待数が増える要因が考察できたのではないだろうか。それと同時に、過去の幸福度と現在の幸福度を比較するためには、複数年にわたって固定したグループに追跡調査をする必要があると考える。 2つ目は天気についてである。晴れの時の幸福度と雨の時の幸福度は差があるのではないかと考え、幸福度に影響を与える要素の1つとした。しかし、紙面アンケートを実施した日の天候が晴れ、もしくは曇りであったため、紙面アンケートにおいて雨の回答は得られなかった。「雨」の回答数は非常に少なかったことから、天気の要素の結果については正確ではない可能性がある。今後アンケートで天候について質問する場合には、ネットアンケートで広範囲に及ぶ調査をしていきたい。 3つ目は、本研究では幸福度に影響を及ぼす可能性がある要因として、健康面について取り上げていなかった点である。幸福度に関する多くの研究等において、健康面(精神的な健康を含む)について記述されており、重要な要因であると考えられるため質問すべき項目であった。 4つ目は「松山市及び松山市周辺では」という制約がつくところである。本研究のアンケートは当初インターネットで募っていた。しかし、予想以上に回答が集まらなかったため紙面ベースに切り替え、観光地でのアンケート、ペットショップでのアンケートに変更した。また、全国規模になると調査期間等を考えると負担が多いため、実施しなかった。今後幸福度について研究する機会があれば、項目、要素に気を付けつつ更に広域的・長期的に調査をして幸福度に影響を与える要因には何があるのか解明していきたい。ペットを飼っている人幸せ説

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