学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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 2019年度松山大学学生懸賞論文集を刊行いたします。今年度は4編の応募がありました。審査は、まず1次審査として、執筆要領に従って書かれているかどうかの形式的な面について審査を行い、1次審査を通過した論文について、2次審査として、応募論文のテーマに専門領域の近い教員が内容と形式の両面について審査を行いました。いずれの審査も論文1編につき2名の教員が担当しています。こうした厳正な審査の結果、今回、応募された4編すべての論文が受賞(金賞3編、銅賞1編)しました。 受賞論文について簡単にご紹介させていただきます。まず金賞を受賞した、経済学部3年生の小柳巴菜さん(他3名)の論文「所有者不明土地の解消に向けて 自治体調査と家計調査による実証分析」では、現代の重要な問題の1つである、所有者不明土地問題について、これまで注目されてこなかった「事前対策」に焦点を当てて分析されているところに独自性があります。本研究では、自治体へのヒアリングや家計に対するアンケート調査データなどに基づき、適切な統計分析手法によって検証が行われ、どのように所有者不明土地の発生を防げばいいのかについて丁寧に分析がなされています。同じく金賞を受賞した、経済学部3年生の細木郁弥さん(他4名)の論文「eスポーツって部活動にしてもいいの?」では、現在、国際的にもeスポーツとして認められるようになってきたビデオゲームについて、それが学校での教育活動や部活動として適切かどうかを、学生、保護者、学校側の3つの視点から検証しています。アンケートやヒアリング調査で得たデータに基づき、丁寧な分析がされており、得られた結果はゲーム業界だけでなく、学校教育やスポーツ関連企業にも影響を与えそうな興味深い内容です。次に経済学部3年生の宮武亜未さん(他4名)の論文「就活を握るファクター -その1つのGPA-」では、大学の学生の成績水準を表すGPAが、学生の就職活動に与える影響について分析を行っています。分析には、就職活動を終えた4年次生と社会人にアンケートを行ったデータが用いられ、結果としては、GPAが高い学生ほど、就職の松山大学総合研究所 所長 溝渕 健一2019(令和元)年度 学生懸賞論文集の発刊にあたって

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