学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
35/159

28contents/1561359086936/index_k.html)最終アクセス日2019年10月1日jp/fukuri/welfare-2/recuperation/)最終アクセス日2019年11月2日19   鳥取市HP「夏休みの家族旅行にお得なキャッシュバック」(https://www.city.tottori.lg.jp/www/20   一般財団法人  埼玉県教職員互助会「家族旅行のときなどの保養事業」(http://www.gojo-saitama.第3項 豊かな社会関係資本づくり 最後に、豊かな社会関係資本を形成するための政策を提案する。本稿は社会関係資本を測定しているSaito et al.(2017)を参考にし、「市民参加」、「社会的連帯」、「互酬性」の3因子・11項目について調査した。この3因子のうち、他者とのサポートの授受割合である「互酬性」については、国や自治体、その他団体の介入によって高めることは困難である。それに比べ、ボランティアやスポーツ関係のグループへの参加割合である「市民参加」と、地域への信頼や愛着の割合である「社会的連帯」は比較的容易に高められる可能性がある。そのため、本稿では「市民参加」と「社会的連帯」を高めることに焦点を当てる。 まず、「市民参加」を高めるための政策を考察する。社会関係資本の「市民参加」を豊かにするためにはボランティアや地域の活動への参加が重要となっている。しかし、近年では町内会・自治会活動への参加頻度は低下している(国民生活白書、2007)。この白書によると、1968年の町内会・自治会の参加頻度は「だいたい参加する」が町村部では70.2%、市部では49.1%であったが、2007年には「参加していない」が51.5%、「年に数回程度」が35.8%と、大幅に低下しており、地域のつながりが希薄化している。また、NPOやボランティアへの参加状況については、「現在参加している」人は全体の10.1%とが、その詳細について市のHPで掲載し、広報している19。また、埼玉県教職員互助会では、保養事業として、組合員およびその被扶養者の旅行の宿泊費に対して、補助金の給付を行っている20。このような家族旅行に限った補助金やキャッシュバックキャンペーンを行うことで、旅行代金の負担を軽減することができ、家族との旅行の頻度が高められることが期待できる。また、市のホームページ等で広報することによって、より多くの市民に知れ渡らせることができると考えられる。しかし、家族旅行の補助が機能するためには、やはり、時間を確保できることが重要であり、「働き方改革」の推進が不可欠であろう。学生懸賞論文集第37号

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る