学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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34<講 評>論    題:所有者不明土地の解消に向けて 自治体調査と家計調査による       実証分析論    評:A:論文の形式 1.構成力 論文では、最初に研究の目的と理由、その後は現状分析及び先行研究のサーベイ、分析と政策提言、まとめが述べられており、執筆要領に従った章立てとなっている。ただ、はじめにと第1章をあえて分けて記述することには、少し違和感があった。 2.文章表現力 本文の文章は平易であり、読みやすい印象を受けた。明らかな誤字脱字もなかった。 3.準拠性 執筆要領に基づいて、先行研究や分析方法の引用が行われている。文献や資料の引用方法に問題は見つからなかった。参考文献において引用番号を付けておくと、さらに見やすくなるだろう。B:論文の内容 1.テーマの設定 現在重要視されている、日本における所有者不明土地の問題をテーマに分析している。この問題への対策として「事前的な対策」と「事後的な対策」が考えられるが、この論文では先行研究ではほとんど扱われていなかった「事前的な対策」について提案している。問題意識は分かりやすく、独自性のあるテーマだと言える。 2.論証内容 主張は首尾一貫していると考えられる。特に、家計に対するアンケートと、(四国のみが対象ではあるが)自治体へのヒアリング・アンケート調学生懸賞論文集第37号

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