学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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44自分の子供をeスポーツ選手にしたい」という相談が増えており、親世代の間でも徐々にeスポーツが浸透し始めているという現状がある。 次に海外の事例を見る。筧(2017)によると、ノルウェーではeスポーツを選択科目としている高校もある。さらに、海外の国の中には、eスポーツ専用スタジアムや施設も既に存在しており、eスポーツの普及に力を注いでいることがうかがえる。日本と同じ東アジアに位置する韓国では、国の省庁がプロゲーマー登録制度を承認しており、国を挙げてeスポーツを推進している。また、eスポーツという言葉の起源は、韓国のメディアとされている。 上記のように世界的に普及しているeスポーツであるが、プロゲーマーは大会の賞金が主な収入源となっている。しかし、ゲームで勝敗が決まるため、プロゲーマー内でも、何度も優勝するトップクラスの人と優勝回数の少ない人の間には大きな所得格差がある。そのため、優勝回数の少ない人たちは、eスポーツ大会の賞金以外に、YouTubeやTwitchなど動画配信による広告収入や投げ銭、いわゆるファンからの寄付金を収入源としている人もいるのが現状である。 eスポーツが国内で世間に認知され始めたのは、ここ最近のことであり、eスポーツをテーマにしている先行研究は筆者が知る限り、存在していないため、示すことができない。しかし、ゲームの使用に対しては「視力が落ちる」等のネガティブな意見も存在し、eスポーツを部活動として導入するに際し、健康面・学業面へ大きな影響があってはならない。そこで、このセクションではゲームの使用による影響・効果にはどのようなものがあるのかを記載する。  ・ゲームの使用と学業成績の関係 ①野々村.他(2008) 岡山市内の公立中学校在籍の生徒(男女648名)を対象にゲームの使用と学業成績の関係について調査を行った。学生懸賞論文集第37号3.先行研究

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