学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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67け入れていかなければならない。eスポーツの部活動導入はその大事な足掛かりとなる。 しかし、eスポーツに関して懸念すべき点はいくつも存在する。例えば、学生時代からゲームに熱中しすぎることで、ゲーム依存症に陥る可能性がある点である。世界保健機関(WHO)では、「ゲーム障害」は依存症の一つであると認定されており、もはやゲーム依存症は国際的な問題となっている。ゲーム依存症が深刻化すると、日常生活に異常をきたし、健康を損なう恐れがある。また、戸部.他(2010)では、(以下、引用)“『小学生、および、中学生・高校生のいずれにおいても、他の独立変数を制御した上で、格闘系テレビゲームの使用は攻撃衝動と有意に関連していた』”(引用終わり)と示されている。つまり、格闘ゲームをプレイすることによって当人の暴力性に影響を及ぼす可能性があるということであり、格闘ゲームを対象にした大会も開催されているeスポーツにとってみれば、これは大きな懸念事項になり得る。 eスポーツを今後日本で普及していくのであれば、教師のスポーツと部活動に対する認識を是正するとともに、これらの問題点を解決していくことが重要となる。・渡辺保(2001)産業構造におけるスポーツ産業の範囲に関する研究Ⅰ、現代社会文化研究No.21 2001年8月、1-1、126・青木邦男・松本耕二、1999. スポーツ外傷・障害と心理社会的要因、山口県立大学看護学部紀要 第3号 1999年、1、9・文部科学省(2017)中学校学習指導要領http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1384661_5_4.pdf(最終アクセス日 2019年10月22日)・文部科学省 我が国の文教施策(1998)、第1部 第3章 第2節 3http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpad199801/hpad199801_2eスポーツって部活動にしてもいいの?8.参考文献

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