学生懸賞論文集第37号2019(令和元)年度
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83⑵ 就職活動に必要なスキルについて①企業サイド 企業側が就職活動生の採用時に評価している項目については、次の2つの先行研究が示している。 日本経済新聞電子版(2019)は、採用選考において参考にするエントリーシート(以下、ES)内で重視する項目として、約8割の企業が「学生時代にがんばったこと」を挙げている。それに対し、「学業成績」について挙げた企業は約1割であったことを示している。 また、日経HR(2019)は、新卒採用時に重視する学生のイメージとして12個の小分類と4つの大分類(行動力、対人力、知的・学力、独創性)を作成し、企業に対してアンケートを実施した。その結果、大分類では「行動力」が最も重視されていたことが示されているのに対し、「知的・学力」は4項目中3番目に重視されている項目であった。(小分類については省略する。) この2つの先行研究から、「学業成績が高い」ということよりも、「コミュニケーション」などの対人スキルを評価する企業が依然として多く、学業成績を評価している企業は依然として少ないことが考えられる。単位取得の現状に大きな差があるのではないかと考えられる。⑥活用実態 ・奨学金や授業料免除対象者の選定基準として活用(83.9%)⇒80%以上の大学が、GPAによる経済支援(授業料減免)を行っており、単なる成績評価の指標ではなく、経済支援にも活用されていると考えられる。②学生サイド 就職活動生である大学4年次生が、就職活動においてどのような項目を重視しているのかを示しているのがBenesse(2012)である。Benesse(2012)は、大学4年生を対象に「就職活動において重要だと思うこと」という設問を作成し、「とても重要」「まあ重要」「どちらともいえない」「あまり重要でない」「全く重要でない」の5つで回答を求めるアンケートを実施した。その結就活を握るファクター -その1つのGPA-

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