松山大学(学生懸賞論文集)第38号
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27 現在、水道水が飲めるとされているのは日本を含め全部で16か国といわれている。(表1) 水道水が飲めるとされている国日本、アラブ首長国連邦アジアオセアニアオーストラリア、ニュージーランド北アメリカカナダヨーロッパアイスランド、アイルランド、オーストリア、クロアチア、スウェーデン、スロベニア、ドイツ、フィンランド南アフリカ、モザンビーク、レソトアフリカメリデメHP 驚きの世界の水道事情より筆者作成(https://merideme.jp/3330) しかし、飲めるとはいっても、日本ほど高い水質の水を飲めるとは限らない。それほどまでに日本の水質基準は厳しく、水質基準の基本として、「水質基準は、水道により供給される水(基本的に給水栓を出る水)について適用されるものであり、原水について適用されるものではないこと」「人の健康に対する悪影響(急性及び慢性)を生じさせないという観点から設定されるべきものであること」「異常な臭味や洗濯物の着色など生活利用上の障害をきたさないという観点からも設定されるべきものであること」とされている。 また、政府が目指す水道の理想像として、「すべての国民がいつでも、どこでもおいしく水を飲めること」とし、具体的な対策として、水道原水の水質保全、適切な浄水処理、管路内の給水装置における水質保全や飲用井戸等の衛生対策をあげている。 政府が目指す水道の理想像を達成するために、水質基準というものが設定されており、その水質基準が定められたのは昭和32年に水道事業について定める法律である水道法が制定されてからである。 当時の水質基準は改正前に、金属類などの無機物を中心に26項目が定められ水道水は飲める必要があるのか2、現状分析

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