松山大学(学生懸賞論文集)第38号
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73第1節 考察 アンケートの集計データに基づいて回帰分析を行った結果、オンラインストアでの購入が配送供給を高めているだけとは言えないことが分かった。オンラインストア購入が配送供給を高めるだけと言えない理由として、オンラインストアの利用者は、オンラインストアの問題点も割り切っていることが関係しているからではないかと考えられる。この根拠として挙げられるのが、インターネット通販サイトのイメージに関する研究(臼井花奈、佐藤弘喜)である。インターネット通販サイトのイメージに関する研究(臼井花奈、佐藤弘喜)では、オンラインストアを利用する人は、オンラインストアには信用を置いていないものの、オンラインストアのメリットを重視した購入を行っていると述べている。つまり、商品を購入したその後のことではなく、購入時にどちらの方が自分にとって得になるかを考えたときに、オンラインストアでの購入を選択すると言える。 また、オンラインストアで購入するにあたって年代、月収による影響がないことが分かった。月収が、アパレル商品をオンラインストアで購入すべきか、実店舗で購入すべきかの判断要因にならなかった原因に、所得をアパレル商品に費やす割合には、個人差があるからだと考えられる。高所得者だからといって所得のうちアパレル商品をたくさん購入するとは限らない。自分の好きなもの(趣味など)に対してお金を費やす可能性もある。このようなことから、月収が影響を与えなかったのではないかと考えられる。逆にアパレル商品が好きであれば、所得の多い、少ないは関係なくアパレル商品の購入頻度が増えるのではないかと考えられる。年代が、アパレル商品をオンラインストアで購入すべきか、実店舗で購入すべきかの判断要因にならなかった原因にデータサンプルの偏りが挙げられる。最も多いサンプル数は、20代の63であるのに対し、最も少ないサンプル数は、30代の1であった。極端に少ないため、正確な分析を行えていない可能性がある。このことから、年代が影響を与えなかったのではないかと考える。ネット店舗と実店舗でのアパレル商品の購入 どちらがお得なのか?第5章 おわりに

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