松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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週5日40時間勤務はもう古い?副業時代の働き方93た副業をしていると考えられる。 企業側の考え方は、コロナ前後でどう変わったのだろうか。図8より2021年自社の正社員の副業を容認している企業の割合は、全面容認・条件容認合わせて55.0%となった。これはコロナ以前の2018年の51.2%から3.8ポイント上昇している。また全面容認だけを見ると2018年の14.4%から2021年は23.7%と9.3ポイントの上昇が見られた。ここから、正社員の副業は急速に容認されていると言えるだろう。 ではなぜ副業を容認するようになったのだろうか。2018年に比べて特に増加した副業を容認する理由上位3つ(図9)は、「禁止するべきものではないので」(5.6ポイント増)「優秀な人材確保(採用活動)のため」(3.5ポイント増)、「優秀な人材の定着(離職率の低下)のため」(3.3ポイント増)だった。 これらの理由の中で、我々は、「優秀な人材確保(採用活動)のため」、「優秀な人材の定着(離職率の低下)のため」の項目が2018年の調査に比べて増加していることに着目した。「優秀な人材の定着(離職率の低下)のため」は18.9%、「優秀な人材確保(採用活動)のため」は16.5%となった。これは、優秀な人材ほど副業を希望する傾向にあり、企業側が副業を認めなければ、人材確保が難しくなっているのではないかと推察される。先に見たデータから高収入、つまり能力が高い人ほど副業をしている傾向にあった。コロナ以降、その図8.自社の正社員の副業を企業が容認・禁止している場合

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