松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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週5日40時間勤務はもう古い?副業時代の働き方95秘書や商品開発・研究職は企業に特化した専門知識を持ち合わせている場合が多い。そこで、副業に本業の知識を活かしづらく、副業実施者が少ないと推察される。 なお、「服飾系専門職種(デザイナー、パタンナーなど)」は0%であったが、データ数が十分でないため、ここではランキングに含めないものとする。 副業のみならず、多様な働き方が提案されはじめている。 勤務日数の多様性の例を挙げる。広島県に本社を置く、精米機メーカーの株式会社サタケを紹介したい。サタケでは2017年から毎夏、全社員を対象にした「週休3日制」のトライアルを続けている。2017年は7月から8月の間に行った。まだトライアルの段階ではあるが、今後は、全社員一斉休暇を目標としている。  週休3日制といえば、経団連が発表した新型コロナウイルスのガイドラインが記憶に新しい。2020年5月、新型コロナウイルス流行の影響から、経団連は「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」(2021年10月3訂)を発表した。ガイドラインでは、公共交通機関の混雑解消のために、テレワークの導入、時差出勤、そして週休3日制の導入が提案された。これらの事例からも、勤務日数の見直しがはじまっていることがわかる。 ここで、日本の労働に関する歴史を遡る。山梨県立図書館(2020)によると、1947年制定・施行された労働基準法は1日8時間、1週48時間。つまり週図10.正社員の副業実施状況上位・下位3位[本業の職種別]

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