松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号4⑴ バイオマス資源をめぐる現状 本章では、バイオマス資源をめぐる現状についてみていく。 日本においてバイオマス資源の利活用が本格化したのは、2002年12月に「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定されたことがきっかけとされる(農林水産省, 2008)。これを皮切りに、2002年度に「バイオマスタウン構想」、2011年度に「市町村バイオマス活用推進計画」、2013年度に「バイオマス産業都市構想」など、バイオマス資源の利活用を一層推進させるための一連の支援を政府が打ち出した。このように、政府がバイオマス資源の利活用を後押しした結果、自治体でバイオマス利活用の取り組みが広がり、当初計画を公表している市町村の数は5自治体だったが、現在では390自治体にも上っている(農林水産省, 2021b)。 図表2-1は、農林水産省によるバイオマス産業の市場規模の推計を示したものである。これによれば、バイオマス産業の市場規模は2010年から2015年にかけて約3倍程度拡大していることがわかる。また、2025年には5,000億円に達すると見込まれており、将来的には、バイオマス資源の利活用はさらに広がると予測されている(農林水産省, 2021a)。2.現状分析出所:(農林水産省, 2021a)「バイオマスの活用をめぐる状況」、15頁より作成。(https://www.ma.go.jp/j/shokusan/biomass/attach/pdf/index-121.pdf 、閲覧日2021年10月2日)図表2-1 バイオマス産業の市場規模の推計(農林水産省調べ)

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