松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号116 3.論証水準 得られたデータを様々な観点から分析しようとする努力が感じられ、論証水準は本学学部生の一般的な水準と比較すると、高い水準にあると判断できる。ただ、本論文の中心的な概念である副業について、第1章の現状分析では触れられているものの、第2章の先行研究では副業に関する研究が引用されていない点には違和感を覚えた。C:総括 本論文は、理想的な働き方について実証分析を行った野心的な研究である。アンケートを用いて、勤務日数や副業の金銭的価値を試算したことが大きな貢献と言える。 ただ、その調査設計の前提となる先行研究のレビューには、ややもの足りない印象が見受けられた。具体的には、副業に関する研究が引用されていないことや、取り上げられている先行研究が2本のみであることが挙げられる。「働き方改革」以降、労働時間や副業に関する研究は盛んに行われているため、より丁寧な文献レビューが望まれる。今後は、これらの点について改善が行われることを期待したい。

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