松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号8藤, 2012)において定義されていた、循環における3つの住民協力の局面に軸足を置きつつ、新たな試みとして全国の自治体を調査対象とし、自治体と住民の双方の視点から住民協力を高めるための要因について、独自のアンケート調査の結果をもとに定量的な分析を行う。その際、運営側である自治体と、利用側である住民の両者にアンケートを行う。両者を分けて分析することで、それぞれの立場を踏まえた今後注力すべきポイントが明確化される。また、定量的な分析結果をもとに、運営側である自治体にインタビュー調査を実施する。分析結果をフィードバックすることで、運営側の状況を考慮した実現可能な取り組みを探ることが可能になる。定量的・定性的な分析により、新たな政策提案を行うことが本論文の目的である。 本章では、定量的な分析として、アンケート調査の詳細と調査方法について検討する。第3章で述べたように、バイオマスの家庭系食品廃棄物に関する先行研究は事業性や住民協力の重要性を断片的に指摘されているものにとどまっており、地域内で資源循環を行うための住民協力に関する分析は行われていない。そのため、本論文の課題である、家庭系食品廃棄物への住民協力を促進させる要因を分析するためのデータは存在していない。そこで、本論文では、分析に用いるデータを入手するために独自のアンケート調査を実施する。その際、バイオマス計画の住民協力を求める場合に重要となるものを明確化するため、バイオマス計画を打ち出した自治体と住民を対象とする。⑴ アンケートの調査対象 以下、アンケートの調査対象について検討する。既に述べたように、本論文では、何に注力すべきかを明確化するため、バイオマス計画を公表している自治体とその地域に住んでいる住民の両者に対してアンケート調査をおこなった。 自治体は、バイオマス計画を発表している390の自治体全てにアンケート調4.調査対象と方法

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