松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号20別されるが、住民協力についての要因は、十分な検討がされていない。住民協力の向上は家庭系食品廃棄物の利活用による循環の促進につながることから住民協力を高めるための要因を明らかにすることを課題に設定した。 住民協力を高める要因を明らかにするために、独自のアンケート調査とインタビュー調査による定量的・定性的分析を行った。定量的な分析の結果として「利用広報」(自治体側)と「利用方法」(住民側)が住民協力に強い影響を与えていること、定性的な分析の結果、自治体の事業が地域の特性に応じていることを広報誌などで効果的に宣伝する政策の提案が必要であることが明らかになった。 以上の分析結果を踏まえ、本論文では「バイオマス認識向上週間をつくる」ことを提案した。具体的には、3か月に1回開催し、広報誌などによる紹介、分別疑似体験イベントの開催、家庭系食品廃棄物から作られた商品の購入の際にポイントの増加、という政策である。本論文の提案に基づいて、住民が自治体のバイオマス事業に協力することで、自治体には計画の達成、住民には環境美化など様々なメリットがもたらされ、両者の結びつきが深くなる。その結果として、家庭系食品廃棄物の利活用による循環をさらに促進することにつながるのではないだろうか。1.九州農政局HP:「バイオマスとは?」(http://www.maff.go.jp/kyusyu/kikaku/baiomasu/teigitou.html, 閲覧日2021年10月5日) 2.農林水産省(2021b)「バイオマスの利活用を推進する地域計画の策定状況(2021年6月11日時点)」(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/biomass/b_kihonho/local/attach/pdf/keikaku_sakutei-202.pdf, 閲覧日2021年10月7日) 3.環境省(2004)「エコアクション21」, 57頁。(https://www.env.go.jp/policy/j-hiroba/PRG/pdfs/all.pdf, 閲覧日2021年11月2日)4.環境省(2020)「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)につい参考文献

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