松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号26ず、それを踏まえてインタビュー調査をさらに行い、政策提案につなげている点である。提案された政策内容は、「バイオマス認識向上週間」事業であり、実行可能性が高く、バイオマス資源の利活用促進に資する提言であると考える。例えば、著者らが述べる具体案の一つである「分別疑似体験イベントの開催」と、「子どもの夏休み自由研究」とを結び付けて広報すれば、大人も子どもも参加して、利用方法の周知ひいては利活用促進にもつながるであろう。 最後に、重回帰分析において、客観的妥当性に関して読者により理解を得られるようにするには、目的変数として採用した指標と、アンケート質問設計についての詳細な説明が望まれるが、実際に現地に出向いて調査する行動力や、実証分析を駆使したことは高く評価できるものである。ただし、アンケート調査を用いた重回帰分析に代表される、具体的な経済現象を示す統計数値を用いた実証分析は、指針の無い「理論なき計測」に陥る危険性を内包しているため、そのことを十分に理解されたうえで、著者らが今後も研究を継続することを期待したい。

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