松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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地域再生プラットフォーム-制度設計と政策立案-67期運行する交通機関はデマンド型のハイエースのみである6。なお、ミニスーパーを除く近隣の商店までは約10㎞離れており7、交通の便は良いとは言い難く、「買い物難民」問題がある。 ミニス―パーから農道を一本挟んだ向かい隣には、2012年3月に廃校になった小学校が残されており、現在は一部を公民館として、運動場は老人会のレクリエーションの場として再利用されている。また、かつて豊茂地区の唯一の金融機能を担っていたJA取扱所は2021年3月に廃止されることが決定し、以後の運営はミニスーパーに委託された。 地域内の商店は、現在「ミニス―パー豊茂」のみであり、運営は自治会が担っている。自治会自身がスーパーを運営する取組みは、全国的にも珍しく買い物難民やフードデザートなどの過疎地域特有の問題に対する新しい対策システムとして注目をされた。このミニス―パーの成り立ちを簡単にまとめておく。図5 豊茂と大洲市・八幡浜市の位置資料:筆者作成6  利用者の事前予約に応じて運行経路や運行スケジュールを合わせて運行する交通形式。豊茂の自治体では伊予鉄南予バスに協力を仰ぎ火曜日と金曜日の週に2日、昼1便、午後2便、豊茂を経由する長浜市街地までの運行便が機能している。7  最も近いものが長浜にある県内チェーン系列のスーパーおよび商店街である。なお、大洲の市街地までは約20㎞の距離がある。

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