松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号68 ミニスーパー豊茂ができたのは今から9年半前にさかのぼる。2007年にAコープ豊茂店が撤退してから、個人での引継ぎによりJAの支援を受けた個人商店「山本商店」が開店されたものの、高齢や跡継ぎがいないことを理由に2010年末閉店の申し出があった。それを受け、豊茂自治会は大洲市と経産省の買い物弱者対策支援事業の補助金でワゴンを1台購入し、2011年にはJA愛媛たいきの支援事業で店舗の改装費を賄ったほか、住民に対して出資金を募り同年4月、運営本部と賃貸を貸し出すJAとの二者構造をとるミニスーパー豊茂が開店した。しかし、2016年8月の時点で営業時間が午後6時までの営業が大幅に短縮され午後2時までの営業となったことは、人口減少による買い手不足の影響を大きく受けていることがわかる(表1)。 店内では、食料品(生鮮三品)、日用品、雑貨、衣料品、たばこなどを扱うほか、手作りの総菜や、地元の農産物も取り揃えている。基本的な仕入れは民間業者やAコープ時代の取引先の卸売業者から、生鮮品は近隣のスーパーから行っている。総菜は店舗内で加工しており、店内外には椅子や机を設け、商店はコミュニケーションの場としての機能も兼ねている。 移動販売(金・土曜日、午前と午後の部で分けて巡回)は、週2回のそれぞれのルートにおいて10~15地点を巡回して販売されていたが、2020年10月時点で週1回へと巡回頻度が変更された。車内にはミニスーパーから調達された当日製造された総菜を始めとする練り物、飲料、菓子、パン、卵、調味料、日表1 ミニスーパー設立までの経緯とその後資料:上地・藤井・加藤(2017), p.44より引用

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