松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号70 まず初めに、豊茂の世帯構造・構成の前提として年齢構成を見ておく。但しこの年齢というのは「世帯主」の年齢であることに注意したい。この世帯主年齢構成を見たとき、60歳代以上、すなわち「リタイア後」の世帯が多いことは明らかである。一般的に農村においては、60歳代あるいは70歳代前半というのは、ある意味“若者”であり、例えば農業を行っている場合は“現役”というふうに形容されることがある。とりわけ、60歳代以降の世代・世帯において農地を保有しているところがほとんどで、むしろ非農家は珍しいほどである。その保有のうち、実際に耕作を行っている農地面積をみると、基本的には100a以下の零細な農地を利用していることが分かる。大規模農家はわずかに数えられる程度となっている。こうした状況から、豊茂地区における農業とは、生産力・所得の源泉のような農業ではないことは明らかである(表2-ⅰ)。 また、加えて見ておきたいのは、耕作放棄地問題である。耕作放棄地面積は50a以内が大半を占めるが、ほとんどの世帯に耕作放棄地があることが分かる(表2-ⅱ)。 次に、買い物行動の現状を明らかにする。ミニスーパー豊茂の利用率は、店舗・移動販売を含め、86世帯中55世帯でありサンプル全体の利用率は64%であった。週1回以上の利用を日常的利用とみなすと、日常的利用世帯は全利用世帯の43%となっている。内訳として最も多い週に1回利用は21.8%であった。一方、利用頻度の低い利用世帯も半数を超えており、特に1か月に1回よりも少ない利用世帯が25.5%も見られる(表3)。表3 世帯主年齢別のミニスーパー店舗利用状況

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