松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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地域再生プラットフォーム-制度設計と政策立案-75農地管理機能は具体的には農地の貸し借り機能・耕作放棄地管理機能を有している(図9)。貸し借り機能は農地を所有しているものの使用していない者や管理ができない者が貸し出しを行う。そして、農業を営みたいと考えている人間が農地を借りる。この機能は同地域内で完結する必要は無く、地区外の人間でも個人情報の登録を行えば利用可能とする。そのため、農業を行う時にだけ豊茂地区へ訪れるという人も考えられる。耕作放棄地管理機能は豊茂地区の住人が地区内で芝を刈って欲しい場所や道路が欠損している箇所をマップ上に記録する。マップは住民全体に公開され、課題が解決されればマップ上からマークを削除する。課題解決は住民だけで無く、行政も関わることになる。この機能により、住民は地域の現状を知ることができ、それに加えて、行政との協力関係が構築できる。そして、最大の効果は住民一人ひとりの当事者意識の向上である。「その地域のことについては、まずそこに住む市民自身が考えて行動していかなくてはいけない。(福島, 2018, p25)」とあるようにシビックテックにおいて、住民の地域の課題に対する当事者意識は重要である。 web掲示板機能はweb上で地域の情報を定期的に発信する機能である(図10)。行政からの連絡やゴミ出し日時、防災情報を記載する。住民は事前に氏名、mailアドレス、住所等の必要情報を入力する。そのため、このページには住人しかアクセスできない仕様とし、掲示板ページにアクセスすれば管理者には既読が付く。防災は大洲市が公開している指定緊急避難場所・指定避難所一図9 農地管理機能の流れ

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