松山大学(学生懸賞論文集)第39号
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学生懸賞論文集第39号82るための事例分析が入り込み、双方の議論が深まらなくなってしまっている。 3.論証水準 前述の通り、本来の問題関心から言えば具体的な制度設計に注力すべき部分に他の議論が入ることで論証の水準が低下してしまっている印象を受ける。「地域再生プラットフォーム」の導入の議論が深まっていない地区への実装を検討する前に、先進地区の事例分析をしっかりと深めた方がこのアイディアをより具体化し、議論を精緻化するためには有意義であるように思う。C:総括 全般的に高いレベルで整理されている論文であり、高く評価できる。特に、現代の資本主義認識に基づいて「地域再生プラットフォーム」という地域再生の方向性を提示した上で、その実証分析を行っている点は重要な意義を持っていると考える。それだけにⅢでの若干の議論の混乱がもったいなく思う。本論文でも紹介されている吉島地区や5374.jpといった事例やRMOの先行事例をベースに地域再生プラットフォームのあり方を明確化するための議論に注力し、それができてから豊茂地区における具体的な制度設計を検討する議論に入る形など、論証の過程を再度整理すればより議論が明確化すると思われる。審査員2論  評:A:論文の形式 1.構成力 章立ては論理的な形で構成されており、比較的わかりやすい。 2.文章表現力 論述は明確であり、概ね妥当であると評価できるが、用語については注釈の必要な個所がいくつか見られる。

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