学生懸賞論文集 第40号
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4 建ぺい率は、敷地面積に占める建築面積の割合のことを指す。敷地面積は、建物を建てられる土地害を連想させる漢字を含む地名とほかの地名とで差が生じるのかを地価を基準に検証する。第2章では、地価に与える要因について、ヘドニック価格法を用いて分析した従来の研究との相違について説明する。第3章では、地価と災害を連想させる漢字の相関の有無について、被説明変数に平均地価を、説明変数に災害を連想させる漢字を含む地名のデータのダミー変数をはじめ、人口や可住地面積、財政健全度などの計16個のデータを使い、検証する。第4章では、前章よりさらに細かい市町村のデータを追加し、被説明変数に公示地価を説明変数に水道・ガス・下水道の供給処理施設数の有無や建ぺい率4、容積率5、用途地域などのデータを使い検証する。続く第5章では、分析結果から地価と漢字の相関について考察し、最後の第6章では全体の総括としてまとめを行い、今後の課題を述べる。 この節では、地価に与える要因について、ヘドニック価格法を用いて分析したこれまでの研究をいくつか紹介しながら、本研究との違いについて示していく。近年の研究では、地震や津波、大雨による水害などのリスクが地価に与える影響を検証した研究が多く発表されている。川脇(2007)は、阪神・淡路大震災の被災地である地域7市で作成・公表された「地震火災ハザードマップ」等の資料をもとに、老朽木造建物等が密集する地震危険地区・大震災で集中的に建物が倒壊し建て替わった地区・その他の一般地区における震災前から震災後10年までの地価動向を比較し、地震危険地区や建物倒壊地区の地価がどの程度相対的に減価しているか、ヘドニック・アプローチを用いて検証している。分析結果としては、地震危険地区の地価が、震災後数年間だけ、人々のの面積の大きさのことである。建築面積は、建物を真上から見たときの面積のことである。 建ぺい率=建築面積/敷地面積×100(%)5 容積率は、敷地面積に占める延べ面積の割合のことを指す。延べ面積は、建物の各階の床面積を合計したものである。 延べ面積=1階床面積+2階床面積 容積率=延べ面積/敷地面積×100(%)災害を連想?~地名が地価に与える影響~52 先行研究と本研究の相違

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