出に関係すると考えられる。よって、地価の需要減少に影響していると読みとることができる。第2次産業と第3次産業の就業人口比率は地価の上昇に影響があると予想したが予想に反するマイナスに影響する結果となった。その原因までは明らかにできていない。その他プラスに影響した住宅に住む世帯とマイナスに影響した人口は係数が微少であったため、大きく影響しないといえる。工業専用地域などの居住地域に適さない土地は地価が低い傾向にあり、近隣商業施設や商業地域といった生活や娯楽の中心となるものが地価を上昇させていると分かる。また、水道の供給処理施設がある土地は、地価が低下しやすい傾向にあり、ガスや下水道の供給処理施設がある土地は、地価が上昇しやすい傾向にある。これも原因不明である。建ぺい率と容積率はプラスの値となったが、地価はほとんど影響を受けていない。このことから、建ぺい率や容積率は、他の要素に比べて、土地の価格を決めるのにそれほど重要ではないことが読み取れる。住居系の用途地域において、ほとんどが有意でプラスの結果となった。つまり、住宅や学校、飲食店などが建てられる地域の土地の需要は高いことが分かる。 地名に災害を連想させる文字を含むことが地価に影響することが明らかになった。これらの研究結果より、地名が暮らしやすい環境の創出につながるのではないかと考えた。データベース「えひめの記憶」書籍『愛媛県史 民俗 下」では、「地名は気候地形などの自然環境、土地を舞台として生活を営む人間の所産、および人間活動の文化・歴史環境の複合条件の中から発生してきた。従って、土地の総体印象を表現し、地域の歴史を物語り、それが形成された過程を説明するものであると言える。」と綴られている。私たち住民が土地の地名の背景を知ることにより、災害の被害拡大を未然に防ぐことは、私たちの生活をより安全にできると言えるだろう。 本研究では、災害の起こりやすさが、その土地の需要を低下させ、地価の低下につながる可能性について、災害を連想させる文字を含む地名とそうでない災害を連想?~地名が地価に与える影響~176 まとめ
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