学生懸賞論文集 第40号
54/68

16 松山市保健所健康づくり推進課西口様へのインタビュー調査、2021年10月1日。る分析結果となったことを受け、住民同士のコミュニティを増やすためにどのような取り組みが必要かを確認したところ、「住民同士が交流できる場所が必要だと思うが、新たな施設・設備の設置は多額の費用がかかるため実現が難しい」とのことであった。また、住民の歩行意欲に最も影響を与える要因が「広報」であることについて伝えると、「広報は、事業の認知、始めるきっかけになるため重要であるとともに、事業の取り組みだけでなく、どういう効果があるのかも伝える必要がある」とのことであった16。以上のことから、住民の歩数を増加させるための政策は、できる限りコストがかからない形でコミュニティを形成し、効果的な広報をする必要があるといえる。 また、健康ポイント事業の参加者からは、「ポイントをいろいろな場所で使えるようにしてほしい」「アプリのやり方がわからない」などの意見が挙げられていることが分かった。 以上のことから、住民のニーズに合い、コストがかからず住民の健康への取り組みを促進させる効果的な政策提案が必要である。 定量分析の結果から、健康ポイント事業に参加する住民の歩数・歩行意欲に最も影響がある要因は、「住民同士のコミュニティ」(自治体側)と「広報」(住民側)という結果が得られた。すでに検討したように、健康ポイント事業の参加者の歩数が増えることで健康への効果を促進することができる可能性が高まる。つまり、事業参加者の歩数を増加させ、健康への効果を促進させるには、住民同士のコミュニティ(自治体)と広報(住民)の二つを同時に満たすような提案をおこなう必要がある。 また、定性分析の結果から、自治体側では、コストのかからない施設・設備の設置や効果的な広報の方法、住民側では、住民のニーズに合わせる重要性が明らかになった。これを受けて、本論文では、既存にある施設を利用し、事業健康ポイント事業がもたらす健幸まちづくりの可能性-成果につながる要因の分析-476.政策提案

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る