審査員1論 評:A:論文の形式 1.構成力(論文として章節等の体系化)論 題:健康ポイント事業がもたらす健幸まちづくりの可能性 -成果につながる要因の分析- 「はじめに」において本論文の問題意識を述べるところから始まり、先行研究の検討、仮説の導出、計量分析と考察、最後に今後の政策へ提言が述べられており、学術論文としてはオーソドックスな体系でしっかりと書かれている印象である。ただし、後述するように、仮説の導出に関わる論述では触れられていなかった「公共交通インフラの整備」「健康増進インセンティブによる住民の行動変容促進」「ヘルスリテラシーとソーシャルキャピタルの醸成」という概念が計量分析では用いられており、先行研究の検討箇所、あるいは仮説の導出の箇所でこれらの概念についてあらかじめ検討しておくべきだと感じた。また、タイトルにある「健幸」という概念についても、あらかじめ論文中で説明が欲しかった。 2.文章表現力(論述の明確さ、漢字・用語の妥当性) 全体的に文章表現力に関しては特に問題がないと思われた。 3.準拠性 文献や資料の引用は適切な方法で行われており、オーソドックスな学術論文の執筆作法をしっかり踏まえていると感じた。欲を言えば、オンライン上では入手できない文献をもう少し参照していれば、なおよいと感じた。B:論文の内容 1.テーマの設定(問題意識の独自性・妥当性) 本論文は、インセンティブを活用した健康を促す取り組みとして現在注健康ポイント事業がもたらす健幸まちづくりの可能性-成果につながる要因の分析-53<講 評>
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