な思考を用いてより深い考察がなされるべきであったと考える。現状では「考察」あるいは「分析」と呼んでよいものか疑問である。C:総括 先行研究が到達できていない点を課題として設定し、それに対して著者自らがデータを集め、分析結果を市役所の担当にフィードバックし、政策提案という形で結論を出す、という本論文における著者の取り組み・活動については、非常に高く評価できるものである。 しかし、残念ながら、集められたデータや、回帰分析の設計および/あるいは説明が、課題(仮説)の論証を行ううえで適切あるいは十分なものでないために、少なくとも審査員にとっては、結論が妥当だと納得できるものにはなっていなかった。「学部生が、ゼミナール大会の報告論文、あるいは卒業論文として執筆する論文としては、『完成すれば』非常に高く評価しうるが、大きな瑕疵が残り未完成に見える(=そのため、評価自体がしがたい)」という印象であった。学生懸賞論文集第40号58
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