次に、「任期中の活動及び任期後に対する支援」に関する質問項目を見てみると、「任期後の定住支援」、「他の現役隊員同士の協力連携」という項目においてわずかな平均スコアの差異が見られる。その一方で「任期後の起業・就業支援」では、自治体評価が■.■■に対して隊員評価が■.■■と非常に大きな平均スコアの差異が見られることから、重要な政策課題と言える。他方で、「OBOGとの協力・連携」については平均スコアに目立った差異は見られないものの、自治体評価が■.■、隊員評価が■.■■であり、両者ともに平均スコアがあまり高くないことから「OBOGとの協力・連携」については、充実しているとは言えないことが分かる。以上のことから、「自治体からの支援・関係性」の改善を考える際に、特に「自治体との議論のしやすさ」、「任期後の支援」、「他の現役隊員やOBOGとの協力・連携」の■つの観点において、支援を展開していく必要があることが分かる。X市では協力隊制度を活用してはいるものの、■■■■年■■月時点における隊員の受け入れ実績が極めて少なく、また現在活動中の隊員についても■名のみである。そのため、X市は協力隊制度の「活用初期」の段階にあると言える。表■は、X市の各質問項目における自治体・協力隊それぞれのスコアを表したものである。表■によると、「活動内容・方向性の共有」、「相談のしやすさ」、「課題・改善点を議論できる」、「活動に対する支援の充実」という■つの質問項目において、回答に大きな差異が生じている。また、残りの「任期後の定住支援」、「任期後の起業・就業支援」、「OBOGとの協力・連携」の■つの質問Ⅱ.個別スコアを用いた比較上記では、全体スコアの平均値を用いた比較を行うことで愛媛県内における協力隊制度の現状や課題を大まかに把握してきた。しかしながら、自治体によって協力隊制度の活用状況やその地域の実情などが異なるため、全ての自治体において同様のスコア分布では無いということに注意しておく必要がある。ここでは、協力隊制度の活用状況の異なるX・Y・Z市の■つを事例に挙げて、全体スコアの平均値に表れない個別の自治体におけるスコアの差異について見ていく。「地域おこし協力隊」の課題と今後の支援の展望−愛媛県の活用事例を基にして−11
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