B:論文の内容■.テーマの設定(問題意識の独自性・妥当性)少子高齢化や人口流出など地域に固有の問題を背景とした時宜を得たテーマ設定である。愛媛県の地域おこし協力隊を調査対象とすることの根拠・意義については、もう少し県独自の特殊性や地域性を踏まえるなどして深掘りする余地があるように思う。■.論証内容(主張の妥当性や論理一貫性)先行研究の詳細なレビューと丁寧なデータ解析をもとに、妥当な主張が展開されている。■.論証水準(専門的知識の水準や説明の深味)地域おこし協力隊制度の課題を明らかにするために、協力隊と自治体の項目別のスコア比較、地域別の分析など妥当な手法が用いられている。分析から抽出された第三者機関や予算制度のあり方についても豊かな説明力で深掘りされている。C:総括本論文は、各地域で積極的に活用されている地域おこし協力隊の制度について、先行研究の詳細なレビューととともに、自治体・協力隊へのアンケート調査から得たデータを丁寧に分析した意欲的な研究である。本研究の特徴は、丁寧な分析を踏まえた協力隊制度の活用段階ごとの課題の抽出と、それらを改善するための第三者機関と予算制度などについての具体的な提案である。学生論文として相当に高い水準にあると評価できる。学生懸賞論文集第■■号32
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