学生懸賞論文集 第42号
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94審査員■論A:論文の形式論題:犯人に対する犯人蔵匿・隠避教唆罪の成否に関する一考察−学説・判例における見解及び状況等の整理を中心として−評:■.構成力(論文として章節等の体系化)章立て、各章節での構成は、争点を論究するうえで必要な形式を十分に整えています。論文で取扱う問題点の提起・争点の整理で一つの章を設けると、論じる方向性が明確になったと思われます。■.文章表現力(論述の明確さ、漢字・用語の妥当性)適切な表記、丁寧な用語を使用し、論旨も明確な文で構成されています。古い判決文での旧字体の漢字利用についても全く問題ありません。■.準拠性(文献・資料の引用方法)可能な限り正確な文献引用を心掛けていることが窺えます。最新の体系書からの引用も行っているので、準拠性に関しては問題なく、論文としての評価において好印象となります。注釈においても、単に参照頁を示すのみならず、その補足的な説明も適度に記載されている点においても優れていると思います。B:論文の内容■.テーマの設定(問題意識の独自性・妥当性)本テーマは、従来より刑法学説において鋭い見解対立が続いていて、近年の最高裁令和三年決定においても刑法学者出身の判事が反対意見を表明する重要な争点といえるので、テーマ設定としては論じる価値の高い妥当学生懸賞論文集第■■号〈講評〉

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