学生懸賞論文集 第42号
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6クスエントロピーを使って正則化する手法(齋藤・萩原、■■■■)、少量のデータによる能動学習において、エントロピーを使い情報量が高いデータを選定する研究(赤穂、■■■■)があるが、これらのエントロピーの計算方法では画像内の物体の形状や変化を見ることができず、微視的に画像データの特徴を捉えることができない。そこで、畳み込みニューラルネットワークによる画像学習において、精度の高いモデルと低いモデルそれぞれの学習画像およびテスト画像に対し画素値の比率を得たり微分フィルタを適用する微視的なエントロピーの計算手法により特徴を摑むことで、学習効率を向上させることができるのではないかという考えに至った。微分フィルタとは、画像内のエッジに関する特徴量を抽出するときに使われる空間フィルタで、垂直方向および水平方向における画像の形状に関する特徴量を得ることができる。具体的には、画像内の注目画素とそれに隣接する画素との画素値の差分を取得するために、それぞれ図■および図■の様なカーネルを使用する。カーネルとは、どのように注目画素周辺の値を収集するか決めるものであり、中心が注目画素、その周りがそれぞれ隣接する画素を表している。カーネルを用意する際は、空間フィルタを適用したい範囲のサイズおよび各位置に対する重みを決める必要があり、今回は■×■画素のカーネルを用意し、図■は垂直方向(下向き)、図■は水平方向(右向き)に重み付けをしている。微分フィルタはこれらのカーネルを使用し、離散的に変化する注目画素と隣接する画素の微分値を近似的に求めることができる。一般に、ある画像に対し空間フィルタを適用したとき、その画像を構成するすべての画素に注目して積和計算を展開することによって、その効果をかけることができる。微分フィルタの場合、注目画素および周辺画素の画素値とカーネル内の対応する位置の重みの積を取る計算は、注目画素および隣接画素の差分を取ることに等しいから、それらの値を足し合わせることでフィルタ適用後には画素値の変化を見ることによってエッジを計算していることになる。図■は垂直方向(下方向)、図■は水平方向(右方向)のエッジ特徴量を取得する。学生懸賞論文集第■■号

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