19本研究では、ミニバッチ確率的勾配降下法を使用し、エントロピーにより選定した画像を学習させ生成したモデルの精度比較を行ったが、結果より、エントロピーの極端に高い画像を除いた学習モデルは、他のモデルと比較し精度が高くなること、一方エントロピーの高い画像のみを学習させたモデルは極端に精度が低くなることが分かった。そして今回の実験により、学習画像の選定手法として、エントロピーが有効であることが示された。特に、最も精度の高いモデルがトリム学習モデル(差分エントロピー)だったことから、画像のエントロピーの計算には、カラー画像エントロピーよりも差分エントロピーを用いることで、形情報を効果的に捉え、モデルの精度向上を図ることが可能であると考えられる。しかし、エントロピーを使用してもある程度の学習画像枚数は必要であること、乗り物と比べ動物に関する画像の正解率が伸び悩むといった課題が挙げられる。今後は、トリム学習モデルの適切な画像枚数を調べると共に、エントロピーを用い、クラスによらず高い正解率を維持できる精度の高い学習モデルの生成に努める。エントロピーによる画像学習AIモデルの性能評価図■■.トリム学習モデル(差分エントロピー)にて除いた画像の一例■.おわりに
元のページ ../index.html#26