34しまう可能性を意識するため、リスクを回避する傾向にあると考える。反対に、損する可能性があるにもかかわらずくじを買う人は、あまりリスクを意識しておらず、リスクを避けようとしない傾向にあると考えることができる。課金を伴うスマホゲームには、ガチャシステムが存在している場合があるが、ガチャは狙いのモノが当たるか分からないという点で一種のギャンブルと考えることができるだろう。そこで、得をする可能性も、損をする可能性もあるくじ引きに参加するかどうかの質問を行って危険回避度を測定することで、課金行動との関係を検証していく。また、課金行動は生活習慣とも関連していると言われている(盛本、■■■■)。そのため本研究では、課金行動が睡眠習慣や食習慣に与える影響についても調査を行う。課金をしたことがある人は、インターネットゲームで遊んだことがない人、およびインターネットゲームで遊んではいるが、課金をしたことがない人に比べて、依存によって睡眠時間が減少したり、食習慣が乱れやすい傾向があると考えられるからである。先行研究である盛本(■■■■)では、「時間選好率は課金行動に有意な影響を与えない。一方、現在バイアス・ナイーブ性は課金行動に正の影響を与える。また危険回避度、所得は課金行動に影響しない」という結果だったが、学生のみを対象としている点や、サンプルデータサイズが小さいことから、サンプルサイズを増やし、さらに幅広い年齢層を対象とすることで、より一般的な傾向を明らかにできるのではないかと考えた。そこで、本研究では基本的に先行研究のアンケート内容を踏襲しつつ、追加で年収や配偶者の有無、睡眠習慣などのいくつかの質問を追加しアンケートを作成して検証を行った。本研究の構成は以下である。まず第■節では先行研究としていくつかの研究論文を紹介する。第■節は分析に使用したアンケートデータについて解説する。第■節では実証分析の結果について、経済学の視点から課金行動に影響を与える要素について解説する。第■節はまとめと今後の課題である。学生懸賞論文集第■■号
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