学生懸賞論文集 第42号
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51スクを背負うことに抵抗があるからだろう。当然のことながら、課金行動には支出が生じるため、危険回避度が高い人たちは、課金を避ける傾向にあるだろう。仮に課金するにしても、少額や■回だけなど、自分自身で決めたルールに基づいて行うはずだろう。また、課金をしたら必ず自分の望むアイテムや報酬が得られるとは限らない。課金行動は不確実性のものであるため、望んでいたアイテムや報酬を得られない可能性もある。それらを理由に彼らが課金を避ける可能性は高い。また、インターネット上での課金は、個人情報を入力することや、クレジットカードでの支払いが主となる。それに伴い、個人情報が漏洩してしまうリスクもゼロではない。そのため、そこから詐欺などに発展する場合も考えられる。このようなことから、危険回避度が高い人たちは、課金行動をしないと言えるだろう。子供の有無で分けたサンプルでは、危険回避度が低いほど課金を行う点は変わらないが、子供がいない人の場合、対数所得Bが有意になり子供がいる人は有意にならないという結果となった。それにより■カ月に使えるお金が多くても子供がいる人は課金を行わず、子供がいない人は課金を行うことが新たに明らかになった。ナイーブ性に関しては、課金行動に対して無関係であることが分かった。先行研究ではナイーブ性は正の影響を与え、ナイーブの程度が強いほど課金をするという結果が出ていた。だが、前述したように先行研究と本研究では現在バイアス性の結果の違いも出ていたため、現在偏向的な考えでなければ、ナイーブ性も低いという関係性が分かった。また、生活習慣への悪影響として、ナイーブ性が喫煙習慣、食習慣に対して正の影響を与えていることが分かった。喫煙状態や喫煙頻度は課金額に関連しており、喫煙するかどうかは課金行動に影響を与える要素であるということが判明した。喫煙者は、ニコチンによる快楽を求める。課金行動も、ゲーム内での報酬などにより快楽を感じる機会を提供していると言える。従って、ゲーム内での報酬などは、喫煙と同様に快楽をもたらす要因と言えるだろう。また、一部の喫煙者は、煙草を利用しストレス緩和や現実逃避をしているだろう。仕事や学校、家族に対してのストレスなどもあるだろう。同様に、課金行動もストレス緩和や現実逃避をすることが可能だろう。そのため、現実の問題から一あなたも要注意?スマホゲームに課金する人ってどんな人?

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