■牧野(■■■■)■■頁、木村(■■■■)■■■頁、宮本(■■■■)■■■頁。■牧野(■■■■)■■頁。■前田(■■■■)■頁、団藤(■■■■b)■■頁。なお、前田教授は、「共犯不成立説は論理的に共犯独立性説と結びついているわけではないのである。」として、共犯独立性説から否定説が導かれるとする立場に疑問を示されている。前田教授によれば、共犯独立性説は、「共犯行為そのものの無価値性」を理由に共犯処罰を認める「行為無価値的な共犯論」であるため、犯人による教唆行為は正犯行為たる自己蔵匿・隠避行為とは独立した悪性、あるいは他人を犯罪に巻き込むことを重視して判断すべきということになり、犯人に対しては犯人蔵匿・隠避教唆罪が成立する(前田(■■■■)■頁、前田(■■■■)■■■頁)。また、肯定説を支持される江家博士について、今上教授は「独自の一つの共犯独立性説を採っていたことは良く知られている。」と述べられているため、共犯独立性説と否定説の関係性も一概には肯定できない(江家(■■■■)■■頁、今上(■■■■)■頁)。■団藤(■■■■b)■■頁。68犯の独立性・従属性から解決を図ろうとした見解があった。本見解において、共犯独立性説の立場からは、否定説が広く支持された■。例えば、牧野博士は、昭和■年判決の立場を「教唆ヲ以テ從屬犯ト爲スコトヨリ來ル一ノ論結トシテ主張セラルルナリ。」として、判例が、共犯従属性説の立場から成立を肯定していると分析した上で、「而シテ、獨立犯論ヲ採ルニ於テハ、固ヨリ、反對ノ結論ニ達スヘシ。」として否定説を支持された■。しかし、牧野博士は、上記のような主張により否定説を支持されているため、牧野博士が「どのような理論構成によって共犯独立性説から否定説を導かれたか」については明らかにされていない。なお、共犯独立性説の立場に立つ研究者が否定説を支持する理由については、学説において、次のような分析がなされている。すなわち、共犯独立性説によれば、犯人による自己蔵匿・隠避の教唆行為自体が実行行為と捉えられる以上、犯人による自己蔵匿・隠避行為が不可罰となると同様に、その教唆行為についても不可罰になるとする説明である■。このような共犯独立性説の論者による主張に対して、共犯従属性説に立つ団藤博士は、共犯独立性説と否定説の関係を上記のように分析した上で、「しかし、われわれは共犯独立性説そのものをとることができない。」として共犯独立性説の立場から導かれると解される否定説を批判し、肯定説を支持された■。もっとも、団藤博士は、共犯従属性説を根拠として肯定説を支持されたわけではなく、共犯従属性説と肯定説の関係については、明らかにされていない。また、共犯従属性説を根拠として肯定説を支持する見解は、現在に至るまで登場していないため、「共犯従属性説を主たる根拠として肯定説を支持できるか」学生懸賞論文集第■■号
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