Creation-158号
3/20

社会に有為な人材となるための教育を実践 「教える」立場と「学ぶ」立場。その両方を松山大学で経験している森本学長。自身が感じておられる松山大学の最大の魅力は何であろうか。「それは言葉で語るよりも、この大学を卒業した先輩方の姿を見て頂くのが一番ではないでしょうか。様々な業界、分野で活躍する人材を輩出していることは、本学の最大の特徴。つまり校訓である『三実主義』のもとに教育を受けた成果が、先輩たちの活躍に現れているのです。先輩たちを見ると、きっと将来の自分たちの姿が見えてくるでしょう」と森本学長。社会で活躍する人材を輩出しているということは、すなわち松山大学で社会にとって有為な人材になるための教育が行われているということでもある。 森本学長自身の大学時代の思い出としては、ゼミナールの印象が強く残っているという。「私は学生時代、神森前学長のゼミを受講しておりましたが、非常に貴重な体験をさせて頂いたと思っています。そもそもゼミ活動は、学生の自主性、社会性を育てる絶好の機会。大学生活はそれまで以上に多くの人と出会い、人間関係を構築する場でもあります。その象徴がゼミなんですよ。ゼミでは研究発表や合宿などがありますが、そこで先生と学生、あるいは学生同士の信頼関係ができ上がっていくんですね。一般の授業の延長として捉えている学生もいるでしょうが、自分が積極的に関わっていくことで多くのことを学べるチャンスなんです。もちろん、われわれ教師陣も、ゼミを活かし、学生と深く関わっていく姿勢が必要だと痛感しています。大学側としても、そうしたゼミを応援していく体制を整えていかなければなりません」。教育は知育・徳育・体育バランスのとれた育成を ゼミの充実・活性化のため、大学側ではさまざまな取り組みを行っている。たとえばゼミ合宿の際には、温山記念会館を無料で利用できるのもその一つ。また、温山記念会館を利用する場合には、交通費の一部補助も行っている。このほか、経営学部においては、活動がもっとも盛んになる三年次生のゼミを月曜の5時限目に設定している。これは必要に応じてゼミの時間を延長できるようにという配慮だ。 またゼミも含めて、松山大学で行われている教育が適正なものであるかどうか、常にチェックを行っていくことも非常に重要なポイントだ。「まず校訓の『三実主義』を踏まえて、各学部の特徴を活かした目標を定めます。その学則上の教育研究目的を達成するためにカリキュラムを組み、カリキュラムの中で行われる授業についてはシラバスを通じて内容を具体的に開示し、学生と先生がシラバスを通じて約束をする。これを実行することで、学部ごとの目的を達成していけば、社会に有為な人材を送り出すことができると考えています。それが実際にできているかどうかは、自己点検評価や外部の第三者評価(大学基準協会)によってチェックをしています。万が一、問題点があれば速やかに改善していく。つまり目的を達成するためのプラン・ドゥ・チェック・アクションというマネジメントサイクルにより、レベルの高い教育をキープしていこうということは常に意識しています」。森本学長のモットーは「教育は知育・徳育・体育である」。これは校訓の『三実主義』に通じる考え方だ。その考えをより深く掘り下げていき「松山大学が長い歴史の中で培ってきた三実主義とは何なのか」を今年1年にわたり本紙で追求していきたいと考えている。松山大学の魅力は先輩たちの姿が物語る。それこそが脈々と受け継がれる三実主義の成果。第14代学長森本 三義昭和50年3月松山商科大学経営学部卒業。昭和56年3月大阪大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。平成2年10月松山大学経営学部教授に、平成19年1月現職に就任。「教える」と「学ぶ」三実主義は今

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る