Creation-159号
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 松山大学でそれぞれに活動していた学生たちのグループが「より大きく活動を飛躍させるために一つに集まろう」というのが今回のNPO法人設立のきっかけでした。人文学部の授業の一環だったお遍路さんの調査や体験から始まって、遍路マップを創ったり、テレビ番組の制作に携わったりするグループ、地球温暖化防止のためのエコ活動に取り組むグループなど、個々に社会活動をしていた学生たちが、「地域づくり」という大きなテーマのもとに集ったのです。 学生活動では、年々学年が上がってやがては卒業していくという現状の中、団体が継続性や組織性に欠けるということが問題です。法人化すれば学生も責任を持って活動をすることができるし、卒業してからも活動に参加できるという継続性が出てきます。学生の中にも社会的な活動をしたいと思っている学生はたくさんいるのに、なかなか社会や地域の人たちと一緒に活動する機会がないけれど、NPO法人にすれば一緒にできることも多くなってきます。そういった多くのメリットを考えた上でのNPO法人化でしたが、最初は法人化するということがどういうものか全然わからないままのスタートでした。実際に始めてみると、法務局への登記をしなければいけないとか財務管理をしなくてはいけないとか、いろいろなことがあるということを学生たちと一緒になって一から勉強し、申請の大変さを身をもって経験しました。NPO法人としてやろうとする最初の発案が2008年3月、定款を作って申請の様式を取り寄せ、5月19日に総決起集会を行い役員を選定、同月29日には県に申請を出しました。正式に認可が下り、8月12日には法務局へ登記を済ませることができたのです。申請が通るまで、事務局長成松亜矢子(人社4年)をチーフとして、何度も県庁に足を運び、複雑な書類作成や手続きを行うなど大変な思いをしてきましたが、決して他では経験することの出来ない、いい社会経験ができたのではないかと思います。 現在、全学部35名のメンバーで、まちづくり新聞制作、テレビ番組制作、エコ活動、地域活性化お遍路関連、坂の上の雲・ブログ・インターネットラジオ制作という5つの事業部に分かれて、それぞれが企画立案し活動を行っています。行政機関や他のNPO団体の方々からお声をかけていただくことも非常に多く、その度に学生が主体になってメンバーを招集し、協議しながら進めています。個性も性格も様々なメンバーですが、一様に意欲のある学生が集まっていると思います。三実主義の中の、「実用」の精神は卒業してから社会の中で実践する、ということですが、それと同じ体験を在学中でありながら身をもって感じ取れるという、非常に貴重な体験をメンバーたちはしていると思っています。今後は事業部ごとに掲げている目標に向かって、更に意欲的に活動を展開していく予定です。(産經新聞記事)平成20年8月18日NPO「松山大学学生地域創造研究所Muse」 理事長金村 毅地域を若者が元気にしていく松山大学公認NPO「松山大学学生地域創造研究所Muse」が始動!遍路マップ遍路道の周辺にある見所や伝承を手書きのイラストを使って紹介し、地域の魅力を紹介するマップ。裏面は学生たち自身が翻訳した英語バージョンになっている。まちづくり松山新聞年3回、30,000部を発行するフリーペーパーで、市内の主な観光拠点で配布されている。第3号(8月発行)では忽那諸島の体験キャンプや釣島灯台の清掃活動などが掲載されている。ミューズ注目!! ご父母・受験生のみなさんへ

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