Creation-159号
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「出世力」の高い松山大学の卒業生 これまでに松山大学が社会に送り出した卒業生は実に6万人以上になります。卒業生の皆さんが、産業界を中心に教育界や官公庁において活躍していることは広く知られております。特に地元・愛媛においては、産業界のトップや役員として多くの本学出身者が力を発揮しています。少し前の調査になるのですが、2年ほど前に出版された経済雑誌(2006年9月23日発行・週刊ダイヤモンド)で卒業生の中で上場企業の取締役になった人の割合から算出した「出世力」なるものを大学別にランキングしておりました。本学は全国の国公私立大学730校中35位、私大では約560校中13位と非常に高い評価を得ていました。単純にこの結果を手放しに喜ぶ訳ではありませんが、一方で、産業界において本学のOBが活躍している、出世していることの証でもあるため、大変に誇りに思っています。 現状、卒業生の4分の1は金融・保険業界に、4分の1が小売・卸業界に就職しています。これは経済・経営学部の卒業生が過去にたくさん就職していたという伝統を引き継いでのことだと考えられます。言い替えれば、本学で学んだことが活かせる職場に就いているということです。私自身、学長に就任してから四国内はもとより山陽の金融機関等に挨拶回りを行っておりますが、どこにうかがっても卒業生の評判は非常に良く、嬉しく思っています。特に実用性を重んじた教育に主眼を置いているので、職場で必要とされる人材を輩出できたのではないかと考えています。また、こうした先輩方の活躍、頑張りが本学の評価へとつながり、次世代の卒業生の受け入れの後押しになっていることは間違いありません。もうひとつ、卒業生は本学で受けた教育、研究により能力を身につけて就職するわけですが、その能力を職場で活かすには、上司や同僚から信頼されているかどうかが大きなポイントになっていると思います。いくら能力が高くとも、信頼されてなければそれを発揮することは難しいでしょう。人間関係の基礎となる活発なコミュニケーション力も、松山大学の穏やかな校風が育んだのかもしれません。学生生活は社会貢献を果たすための準備期間 松山大学の創立者である温山翁(新田長次郎)は、「地域社会に貢献したい」という思いで本学創立のために巨額の私財を投じらました。その恩恵を受けている我々は、社会貢献の使命を背負っています。入学式や卒業式など機会があればその話をしているので、出席者の中には「毎年同じこと言っているな」と思われる方もいるでしょう。しかし、繰り返し伝えていくことが我々教職員の勤めだと思っています。 近年の就職事情については、地元志向と都会志向、その2つの方向性が存在しています。地元に関してはこれまでのパイプとともに新しいパイプの開拓を行っていますが、都会志向に応えるためには就職支援と情報収集を主な目的として2007年10月に松山大学東京オフィスを設置しました。その効果といえるかどうかは分かりませんが、今春の卒業生の中で首都圏に就職した方は9%となり、前年の6%の5割増となりました。さらに薬学部の卒業生の就職支援準備も既に進めており、製薬や医療関係に留まらず、幅広い業界で専門知識を活かして活躍できるようパイプづくりに努めています。学生の皆さんにも卒業後にどう生きていくのかを考えながら、学生生活を送って頂きたいと願っています。地域を、日本を、興す “人材”たち校訓「三実主義」の旗印のもと一人ひとりが社会貢献を果たしていく。そのサポートを行うことが我々の勤めだと思っています。第14代学長森本 三義昭和50年3月松山商科大学経営学部卒業。昭和56年3月大阪大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。平成2年10月松山大学経営学部教授に、平成19年1月現職に就任。東本館5階会議室に掛かる温山翁直筆の書「独立自尊」

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