Creation-159号
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新しい大事業にも松山大学の人材が活躍 現在、当社においては、役職員が一丸となって四国地区の都市ガス原料を天然ガスへと転換する事業に取り組んでいます。この事業は平成14年9月にスタートし、高松に内航船受入基地を建設。今治を皮切りに香川、徳島の転換を行い、11月には高知も完了します。そして、10月に完成した松山の内航船受入基地を拠点に、12月からは松山の転換を開始。来年1年をかけて松山を実施し、平成22年3月末までの宇和島の転換で、275 000戸のお客様すべてが完了です。なぜ、こうした天然ガスへの転換が必要なのかについてですが、まず天然ガスは現時点で石油よりも可採年数が多いことが上げられます。今後も開発によりその量はますます増えていくと考えられているので、将来にわたって安定して供給することが可能なのです。また、天然ガスは従来の都市ガス原料に比べて非常にカロリーが高いため、増え続ける都市ガス需要にしっかりとお応えすることができるんです。そして、こうした安定供給という面もそうですが、何より素晴らしいのは、石油や石炭系の原料に比べて、二酸化炭素の発生量が非常に少ない。しかも中毒の原因となる一酸化炭素を含んでおらず、大気汚染を引き起こす硫黄分も取り除かれている。いわば人と地球に優しいクリーンなエネルギーなんですね。この天然ガスへの転換は、暮らし、産業、環境のすべての面において非常に有益なプロジェクトであるといえます。 ただ、大きな事業であるだけに、現場は非常に大変なんです。まず地区ごとにガス導管の工事を行い、テストを何度も繰り返します。そして転換当日には、すべてのお客様のもとに資格認定を受けた係員が直接足を運び、ガス器具の調整を行います。転換から3日間は毎日おじゃまして、最後の安全確認まで行うのですが、一気に速やかに転換を行うためにはとにかく人数が必要。松山には330名ほどの人員を投入する予定ですが、そのために当社ではたくさんの採用を行い、教育・研修を実施しました。松山大学からもたくさんの方に入社して頂き、非常にやりがいを持って業務にあたってもらっています。彼らは現場で様々な経験をすることで、一回りも二回りも大きくなって帰ってくるに違いありません。経験が彼らの財産になり、その存在が会社の財産になるのです。転換事業が完了したら、そんなスタッフとともにさらなるお客様サービスや保安の推進、燃料電池など新商品による天然ガスの普及に頑張っていこうと、今から非常に楽しみにしています。社会貢献への思いは母校の教えがベース 随分と前置きが長くなってしまいましたが、実はこの転換事業、母校である松山大学の三実主義に非常に相通じるんですね。三実主義の「真実」「忠実」「実用」を煎じ詰めれば、それは「様々な経験の中で社会に役立つ人間になりなさい」ということだと思うんです。私が松山商科大学経済学部に入学したのは昭和39年。当時は前身の旧制松山高等商業学校の面影がまだ残っており、当時の本館は健在。校舎も一部木造。よく廊下をダダダっと走って先生に「静かにせい!」と叱られたものです(笑)。学校は今と比べると相当オンボロでしたが、先生は今と同じで非常に素晴らしい方ばかり。それも非常に親身になってくださって、時代もあるのでしょうが、四国ガス株式会社取締役社長檜垣 俊二氏昭和43年松山商科大学経済学部卒業、同年四国ガス株式会社入社。取締役総務部長、取締役営業部長、常務取締役、専務取締役天然ガス転換本部長を歴任し、平成18年6月代表取締役社長に就任。(1968年3月 松山商科大学経済学部卒)社会に出て気付きました。三実主義の中には社会を生き抜いていくための真理がある、と。,

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