Creation-160号
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 松山大学と愛媛大学が協力して「学祭で何かしてみないか」という取り組みは3年前、たまたま両大学の学祭開催日が重なった年にありました。その時はメディアへ一緒に広報のお願いに行ったり、チャリティー活動を行ったりしたのですが、その後は残念ながら両大学の開催日が違うことから実現していませんでした。今回、愛媛大学の大学祭実行委員会から「また一緒に協力してやってみないか」という打診があり、その中で「容器を統一し、エコを大々的に打ち出そう」という試みを実施することになったのです。 そもそも松山大学ではゴミを9種類に分別していますが、中でもプラスティック容器はとてつもない量になり、ゴミ処理費用の約1/2を占めていました。そこで2、3年前から容器を生協で使っているリサイクルパックに統一し、環境に配慮しながらコスト削減をしようと考えたのです。リサイクルパックとは、プラスティック容器にナイロンフィルムが貼られていて、使用後にフィルムを剥がし、新しいものに貼り変えれば何度でも使えるというもので、普段から生協のお弁当容器などに使われています。しかし、松大生は使い方を知っていても一般の人は知らないので、処分するときに実行委員で全てチェックし、フィルムが残っていたら剥がさないといけません。剥がさずに捨てたら、もともと洗わなくていいプラスティック容器も汚れてしまうので、それも洗って…。結局水資源も使ってしまいエコに繋がらなかったという苦い経験もしました。 今回導入した、サトウキビの搾りかすから作られたトレーは、土中に埋めておけば土に還るという特殊なもので、使用後に洗う必要もありません。もともと容器をリサイクルパックに統一していた実績もあり、各団体からはトレー導入に対する反対意見もなく、使い心地もよいということであっさりと受け入れてもらえました。ただ、コストはリサイクルパックと比べると一枚あたり2〜3円高くなってしまいます。そのため購入費用の一部を実行委員会で負担し、各団体に使ってもらいました。しかし、その甲斐あってゴミの処理費用が削減され今までの半分になったので、十分な価値があったと思います。 2tトラックの荷台いっぱいに集められた使用済みトレーは、愛媛大学の農学部で機械を使って細かく粉砕され、農場に埋められ土に還されました。愛媛県でこのトレーを学祭で使っているのは松大と愛大だけ、問題は集めたトレーを埋める土地なのです。埋める土地が確保できれば、もっとたくさんの大学に使ってもらえるんじゃないかと思います。 来年以降も学祭でのエコに関する活動は続けていきます。そして、来てくれた方々にエコに対する関心を持っていただくと共に、地域と一体になって盛り上がり、楽しめる学祭にしていければと思っています。隣り合う大学が協力してエコ活動環境に優しい容器に統一してゴミを大幅に削減(朝日新聞記事) 平成20年10月24日松山大学第60回大学祭実行委員会委 員 長 村越 由佳(薬3年)実行委員 泉宮 竜祐(経済2年)注目!! ご父母・受験生のみなさんへ

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