Creation-160号
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ス)」が開設されました。パートナーシップ(Partnership)には提携、協力、協調という意味があります。この言葉には地域社会でそれぞれ目的を持つもの同士の連携というニュアンスがあります。そこで、松山大学が社会連携の仲介役を果たしていきたいという思いをその名称に込めています。 では「MSPO」の目的と具体的役割についてですが、まず目的は、研究・教育機関としての松山大学の地位向上にあります。そのために、社会や産業機関との連携を通じて本学の知的創造と人材育成に努め、知的財産と人材を活用することで地域産業の振興と地域社会への貢献に寄与していこうと考えています。その具体的な役割は〔(1)社会や産業機関からの共同事業依頼の窓口となる(2)その事業内容を学内の関連部署との協議を経て、審査する(3)新事業の遂行に際して、学内の関連部署と学外機関との連携を調整する(4)既存の協定に基づく共同事業を推進するために、学内部署と学外機関との連携を調整する(5)本学の教職員と学生の学外との共同事業を支援する〕の5項目です。 簡単にいえば「MSPO」は、地域との連携の「窓口」。この窓口を通じて、大学と連携して事業をしたいという相談があった場合に、その情報を各関係機関に連絡する。実は私自身もそうなんですが、他の学部、他の先生方がどのような研究をしているかというのを、意外と知らないんですね。どういう分野で活躍しているのかという事も十分には把握できていない面があります。そこで、そういう情報を窓口(MSPO)に集めて、外部から連携希望の相談があった場合には、迅速に調整する。こういう事業だったらこの学部が適当だとか、この事業だったらこの部署が適当だとかを判断する役割を果たします。大学には学部だけではなく、学生部、国際センター、キャリアセンターなどの部署があるので、まずは普段から内部の意思疎通をしておき、学外から要望がある場合に、迅速かつ的確に対応することを目指しています。「MSPO」を通じて「地域に根ざした大学」へ 「MSPO」を充分に機能させるには、学内に学外機関と協力できる体制を構築することが肝要です。ただし、アカデミズムとしての大学の存在意義は薄れるべきではないと思います。社会に迎合するばかりでは、世の中は決して良くなりません。しかし、研究が現実と遊離してしまっては、研究の価値が問われてしまいます。これは自戒の意味も込めてのことですが、社会との接点をしっかりと持ち、等身大として社会を見る視座が必要だと思います。その点から、特に研究者である教員は、社会の外部機関と接点を持つことで現実感覚を養っていく必要があるでしょう。教職員が、外部機関との連携事業に興味を持ち、協力できる体制を整備していかなくてはいけないと思っています。 一方で大学の研究、教育の内容をもっと外部に説明する必要もあります。学会の最前線で活躍している教員や社会的に意義のある教育、スポーツに取り組む教職員がいます。そうした情報が外部にはあまり知られていないので、もっとPRしていくべきだと考えています。今後は、公開授業やスポーツを通じた中学・高校との連携、市民に開かれた大学としての事業、国際交流事業等を通じて「地域に根ざした大学」としての地位向上に努めていきたいと思っています。誇るべきこと、変わるべきこと

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