Creation-161号
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まずは卒業後の自分を描いて逆算で今するべきことを考える 有意義な学生生活を送るために何よりも大切なことは、自分が卒業して何をするのか、どういった仕事で生計を立てるのかを早く見極めることだと思っています。目標を定めたら、そこから逆算すると、今、何をすべきかが見えてきます。つまり、中長期の目標を立てることができ、それを達成しながら日々を過ごすことができるのです。そうすれば自ずと学びに対する意欲も湧いてきます。云わば「勉強をやる気になるスイッチ」が入るんですね。新入生の方や、まだ目標が定まっていないという在校生は、なるべく早くスイッチオンしてください。中には「スイッチオンしたけれど、具体的に何をしたらいいか分からない」という方もいるでしょう。それをバックアップするのが私たち教職員です。まずは指導教授に相談してください。また専門のカウンセラーもいますから、相談をしてみてもよいでしょう。こうした学習支援、教育支援の体制は今後もますます充実させていく方針ですから、何か不十分な点があればどんどん要望をして欲しいですね。 皆さんに知って頂きたいのは、教育は人生を変える素晴らしい力を持っているということです。学ぶことによって夢を叶え、なりたい自分になることができるのです。様々な出逢いを経験したり、生活を向上させたり、人生を豊かにしたりすることができるのです。大学生活はその最後の準備期間、云わば学びの集大成です。松山大学で過ごす時間、過ごし方によりその後の人生は大きく変わってきます。「卒業後の自分なんてずっと先のことだ」と考える方も多いでしょう。でも、無為に日々を送れば、時間はあっという間に過ぎていきます。だからこそ、早くスイッチオンして頂きたいと願っています。三実主義を実践しながら新しい松山大学をつくっていく 三実主義の「真実」「忠実」「実用」は、学生の皆さんはもちろんですが、私たち教職員にとっても、共通の教訓だと思っています。大学側に向けては「社会のニーズを満たす教育研究をしなさい」、学生に対しては「社会のニーズを満たす人間として成長しなさい」というメッセージだと考えています。たとえば「忠実」はリーダーの必要条件。組織の中では、信用信頼される人材でなければリーダーにはなれません。信用信頼されるためにはどうあらねばならないかというのが「忠実」の精神なのです。また、個人的には「真実」は「実用」とセットで活かされる精神だと思っています。真理を探究しても、実際に活用することができなければ、それは何の役にも立ちません。ただの自己満足で終わってしまいます。研究、追求した「真実」は、社会のニーズに合わせて「実用」化することで初めて真価を発揮できるのではないでしょうか。 もちろん、これは私なりの解釈ですから、皆さん、一人ひとりが「三実主義って何だろう」と考えて、答えを出して欲しいと思います。そしてそれを自らの生活にあてはめて、日々の行動の指針として欲しいですね。 最後に、知って頂きたいのは「松山大学は生涯皆さんと付き合える大学」を目指しているということです。卒業したら学生と大学の関係が終わるのではなく、卒業後も教育支援や再就職支援を継続的に行える体制をつくりたいと考えています。生涯にわたって関係を持てるような大学でありたいのです。そのためには教職員の意識改革も必要です。一つずつ問題をクリアして、新しい松山大学をつくっていきたいと考えています。すべては“三実主義”のもとに三実主義は、社会のニーズを満たす教育研究の提供と人間としての成長を促す学生と教職員へのメッセージ。第14代学長森本 三義昭和50年3月松山商科大学経営学部卒業。昭和56年3月大阪大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。平成2年10月松山大学経営学部教授に、平成19年1月現職に就任。

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