Creation-161号
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そして引き継がれ、現代に生きる第3代校長田中忠夫直筆の書真理に対するまことである。皮相な現象に惑わくでき溺しないで、進んでその奥に真理を探り、枯死した既成知識に安住しないで、たゆまず自ら真知を求める態度である。人に対するまことである。人のために図っては己を虚むなしうし、人との交わりを結んでは終生操みさおを変えず、自分の言行に対してはどこまでも責任をとらんとする態度である。用に対するまことである。真理を真理のままに終わらせないで、必ずこれを生活の中に生かし、社会に奉仕する積極進取の実践的態度である。松山高等商業学校初代校長・加藤彰廉先生が提唱し、第三代校長・田中忠夫先生によりその意義が確認強調された校訓で、86年の長きにわたって学園とともに生き、今日に至った人間形成の伝統的原理だ。本学や前身の松山高商、松山経専、松山商大の卒業生が高い人間的評価を受けているのは、この校訓の薫化によるところが多いといえる。三実とは「真実」「忠実」「実用」の三つで、それぞれ次のような意味を持っている。「三実主義」「三実主義」は1つのメソッド。大学としての「三実主義」もあっていいし、個人の「三実主義」もあっていい。そして時代時代の解釈の仕方があっていいと思う。「真実」があって「実用」がある。「真実」を知って「忠実」に過ごせばいいという真理。それを活用するのが「実用」。

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