Creation-163号
11/20

 背中のバッグにスノーボードならぬスケートボードを突っ込んで、ちょっとはにかんだような笑顔で取材場所へ現れた青野令さん。小学校4年生になる前の春休みに叔母さんの影響でスノーボードを始め、それからずっと夏休みは毎日、それ以外でも週に1回はアクロス重信で練習を続けてきた。「アクロスでジャンプしている人の格好良さに憧れて始めたんです。やってみたいって言うと『フラットでもっと練習してからね』と…。練習を積み、初めてパイプに入れたときは嬉しさでいっぱいでした」と語る。 世界一になってもまだまだ上を目指している青野さんだが、やはり大きな舞台に立つと緊張するという。「勝つためには練習しかない。いつでも最高のパフォーマンスができるまで自分の技を完璧にすることが一番勝ちに繋がる。相手を意識すると呑まれてしまう、自分と向き合うことが大事だと思っています。僕の青野 令さん幼い頃から始めたスノーボードで、雪のない南国愛媛の出身でありながら世界制覇を果たした青野さん。大学での勉強を楽しみながらスノボの世界でもさらに上を目指してがんばっています。青野 令(経営学部経営学科1年次生)1990年5月15日生まれ愛媛県松山市出身全日本スキー連盟09年ナショナルチームランクA選手今年1月に韓国で行われたスノーボード世界選手権ハーフパイプで優勝を飾った青野令さん。世界選手権では日本人選手初の金メダル獲得という快挙を成し遂げ、今後の活躍に熱い期待が寄せられています。来年の冬季五輪出場を目標に、着々と準備を進めています。夢は小学校の頃からオリンピックの舞台に立つこと。そこで優勝するまでは、なかなか満足はできないですね」。今は来年のバンクーバー冬季オリンピックに集中し、新しい技を開発しながら自分の技を研くことに専念している。ライバルの存在も気になるところだが、オリンピック優勝、そして常に日本のトップでいたいという青野さんの今後の活躍が楽しみだ。 大学生活は勉強とスノボを両立させ、充実した毎日を送っている。「大学生ってもっと遊べるってイメージがあったけど(笑)、勉強は厳しいです。でも結構楽しい。学校に行ってる間は勉強に、外に出るとスノボに集中する、そういう感じがいい。将来はジュニアを育ててみたいとか、スノボ関連のアパレル系の仕事に就いてスノボ人口を増やしたいという夢もあるので…」と語ってくれた。夢に向け、毎日努力を続けている青野さんをこれからも精一杯応援していきたい。主な戦歴2004年JOCジュニアオリンピックHP優勝2005年JOCジュニアオリンピックHP優勝2006年FISキスマークカップHP優勝FISチューリップテレビCAPHP優勝2007年NIPPONOPEN2007第3位FISWorldCup2007富良野大会HP優勝 FISWorldCup2007カナダ・カルガリー大会第1戦、第2戦HP優勝 FISWorldCup2007カナダ・ストーンハイム大会HP第2位  FISWorldCup2007HP種目別ワールドチャンピオン(日本初)2008年FISWorldCupStandingMenHP6thFISWorldCupCardrona(NZ)HP優勝FISWorldCupSungwoo(KOR)HP優勝WINTERXGAMES12HP2位(銀メダル)日本初2009年FISWorldCup郡上大会HP優勝世界選手権(韓国/江原)HP優勝(金メダル)日本初▲ニュージーランドの大会会場で、ジャンプを決める青野さん。▲共に世界と戦うチームの仲間と一緒に(右から2番目が青野さん)。▲リラックスしながら愛犬と一緒に自宅近くを散歩。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る