Creation-163号
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公開講座や体験入学など様々な活動を展開 松山大学薬学部は、高度化する医療現場に対応できる能力の高い薬剤師と、薬学関連分野で人と社会に貢献できる人材の育成を目指しています。現在は大学院や薬学部附属の実践薬学教育施設の構想もあり、地域社会にいっそう貢献できるようなインフラ整備にも力を入れています。私たちは大きな目標の一つとして「薬学の教育・研究を通じた社会への貢献」を掲げています。そしてこの目標を「愛媛で活躍する薬剤師の方の問題解決のお手伝い」と「一般市民の皆様が薬と健康の科学を通じて、健康で心豊かな生活を送るためのお手伝い」という二つのアプローチで実践しています。具体的な活動の一つに、本年から医療現場で活躍中の薬剤師や一般市民の方を対象とした薬学部公開講座がスタート。第1回目は育薬研究の第一人者である澤田康文教授と本学の宮内正二教授による講演が行われました。 また薬学の魅力を若い世代に知らしめるべく、オープンキャンパスの際に薬学部棟の見学を行っています。研究室に所属する学生による生薬の説明をはじめとする盛りだくさんな内容で、高校生たちに薬学への興味を持ってもらえるよう取り組んでいます。本年6月には高校生を対象とした「薬学部一日体験入学」を開催し、薬学に対する正しい知識を持って頂けるように、研究者たちとふれあい、大学の研究成果について説明。実際に白衣を着てもらって、薬剤師の仕事を模擬体験するなどの内容が好評でした。さらに9月には、独立行政法人・日本学術振興会の助成を受けて「ひらめき☆ときめきサイエンス」も開催されました。これは本学薬学部の研究成果を若い方々に分かりやすく説明し、科学全般に興味を持ってもらうことを目的としています。これらの活動により、若い世代には薬学を含めた科学分野全般への興味を高め、現在、愛媛で活躍する薬剤師の方々には知識や情報を高めて頂くことができれば…というのが私たちの思い。そして松山大学薬学部への理解を深めて頂き、健康に対する関心を高めていく一助になりたいと切に願っています。地域住民の健康意識の向上と薬剤師のスキルアップをお手伝い 歴史ある松山大学の中でも、薬学部というのは新しく誕生した学部。地域貢献についても、どんどんチャレンジしている段階です。そんな中、薬学部に対して一般市民の方にも親しみを持って頂けるようにとの考えから開催したのが「松山大学薬学部附属薬用植物園(薬草園)」の一般公開です。昨年10月に第1回を開催し、今年は春季と秋季(10月18日)に開催。年配の方から子どもさん連れの若いお母様まで、多くの方に足を運んで頂きました。当日は薬学部の学生たちが薬草の説明や薬草園内の案内を行うのですが、学生にとっても良い学びの機会になっていると思います。このほか高知、山口、大分、沖縄など薬科大学・薬学部のない地域での公開講座の開催。愛媛県内の小中高生や保護者の方を対象とした薬学部棟の見学や模擬講義も随時受け付けています。 これらの様々な活動により、若い世代を含めた地域住民の方に健康や薬に対する情報を提供したり、現場で活躍する薬剤師の方のスキルアップや勉強の場を提供したりしていくことが薬学部ならではの地域貢献であると自負しています。今後ますます発展させていきたいですね。地域社会に貢献する“実践”薬学部医療薬学科河瀬 雅美教授今年8月に開催された薬学部公開講座。本学学生の他、地域の薬剤師や一般市民の方など多くの受講者が集まった。薬学の教育・研究を通じた社会への貢献と薬と健康の科学を通じた市民の健康な生活のお手伝いを。高校生を対象とした「ひらめき☆ときめきサイエンス」では、薬学研究の世界や大学研究者と直接触れあう機会を設け、 知的創造性を育むことを目的に研究成果の社会還元・普及事業の一環として展開した。

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