Creation-164号
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愛媛県立松山北高等学校英語教員 鷲野 博文さん(1994年3月 人文学部英語英米文学科卒)Washino Hirofumi要所で的確に熱心に恩師からご指導いただいた 現在、松山北高校で英語教員として教壇に立つ鷲野さん。高校時代は化学が好きで理系を選択したが、適性を考慮し、英語英米文学科に入学した。4年間の勉強を終えた後は、県外の大学院に進学、博士課程を修了して博士(学術)の学位を取得した。もともと英語は第一志望ではなかった鷲野さんが、英語教師の職に就くまでの過程で、恩師との出会いは非常に大きな出来事だった。「入学した当初は、文系に転向したことで勉強に興味が持てず、目標を見い出せない日々が続いていました。そんなとき岡山勇一先生に〝英文学の研究は文化論や社会論と深い関係がある〞ということを教えていただいて、初めて英語を勉強することに興味が持てました」と語る。卒業後の進路について一度は就職を考えた鷲野さんだが『ぜひ研究を続けてみては』との岡山先生からのアドバイスで、大学院進学を決意した。「4年間ずっと岡山先生にご指導いただき、進学の際にも貴重な助言をいただきました。今もなお先生にはお世話になっています。大学でも社会でも、一番大事なのは、人との出会いに感謝し、その出会いを大切にすることだと思います」。【松大な人1】OB・OG INTERVIEW選択する責任の重さを感じてがんばって欲しい  大学、大学院とイギリス文化論を研究してきた鷲野さん。最終的に教職への道へ進んだのは岡山先生の指導される姿に触れたことが最大の理由だった。「当時、文学・文化研究などまったく知らない学生に対して、岡山先生は英語の指導だけでなく、研究方法から論文の指導まで、具体的にそして非常に厳しく指導してくださいました。一方で私的な相談にものってくださり、本当によく話を聞いていただきました。まさに三実主義そのものでした。自分の将来にもそういう姿を求めたように思います」。今、鷲野さんは高校で、日々、世代間のギャップを感じながらも、生徒との積極的なコミュニケーションを心掛けているそうだ。生徒たちに一番伝えたいことはと尋ねると「今、高校卒業後は就職、専門学校、大学進学とさまざまな選択ができる時代です。一つを選択することは他の可能性を切り捨てることです。選択する以上、自分が最後まで責任をとるという自覚を持って将来を歩んで欲しいと思っています」と語ってくれた。後輩へのアドバイス就職についても厳しい状況にあり、時代や社会に翻弄されて自分の意志ではどうにもならないこともあると思いますが、その中で最善の道が選べる力を身につけるには、自分自身を研くほかにありません。自由に過ごしたり仲間を作ることも大切ですが、先を見据えて人生設計を考える4年間にしてもらいたいと思います。常によき方向へと導いてくれた恩師と出会い、その姿に自分の理想を見い出した12341.大学入学時の記念写真。岡山先生との出会いが、自分の将来を左右することに2.2年次生の時にはイギリス語学研修へ。次第にイギリスの文学に傾倒していった3.大学院生時代には、学会などで自分の研究について発表する機会を得た4.教員になって行った修学旅行先で生徒と一緒に。場所はディズニーランド〈No.164〉 2010 Winter

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